福利厚生の満足度は、制度の有無だけでなく「社員にどれだけ伝わっているか」で差が出ることが明確になりました。
MS&ADインターリスク総研が大企業社員1,000人に実施した調査では、福利厚生重視は約8割なのに、満足度はほぼ二分する結果となっています。
特に団体保険とGLTDの認知ギャップが、企業の制度運用を見直すポイントになりそうです☆
MS&ADインターリスク総研「大企業社員1,000人団体保険・GLTD意識調査」

- 調査対象:大企業勤務社員1,000人
- 調査期間:2025年12月19日~12月25日
- 性別構成:男性500人・女性500人
- 年齢区分:20代・30代・40代・50代(各区分男女125人)
- 企業規模:2,000人以上の企業勤務者
MS&ADインターリスク総研は、MS&ADインシュアランスグループのシンクタンク機能を担うリスクコンサルティング会社です。
同社は企業の危機管理やリスクマネジメント支援を手がけ、実務に近い調査・分析を継続している組織です。
今回の調査は、福利厚生満足度と団体保険の整備・認知の関係を可視化し、制度設計の改善余地を示した点が特徴です。
福利厚生は「あると良い」ではなく「働き続ける条件」

- 就職・転職時に福利厚生を重視:77.6%
- 福利厚生は就業継続の要因になる:77.9%
- 福利厚生を重視しない回答:22.4%
- 就業継続要因と考えない回答:22.1%
調査では、福利厚生を「条件のひとつ」と捉える層が多数派で、採用時と定着時の両方に影響する項目になっています。
給与や仕事内容だけでなく、万一に備える制度まで含めて比較する姿勢が、すでに標準化している状況です。
人材確保の文脈では、福利厚生は差別化要素というより基礎インフラとして扱う段階に入っています。
満足度の分岐点は「制度認知」の差

- 福利厚生に満足:50.7%
- 福利厚生に不満:49.3%
- 「やや満足している」:43.4%
- 「あまり満足していない」:33.3%
- 不満層の団体保険「わからない」:41.4%
満足と不満がほぼ拮抗した背景には、制度内容を理解できているかどうかの差が大きく影響しています。
団体保険の整備そのものより、社員が自分ごととして把握できる情報提供設計が満足度を左右する構図です。
社内ポータル掲載だけで終えず、利用シーン別に案内する運用が重要になっています。
GLTDは導入率と認知率の両方に課題

- 勤務先でのGLTD導入認知:12.3%
- GLTDを全く知らない:49.5%
- GLTDを聞いたことはあるが不理解:20.8%
- GLTDを詳しく知っている:7.5%
- 団体保険加入状況「わからない」:34.5%
GLTDは就労不能時の所得補償として実務上の重要度が高い制度ですが、現場認知が追いついていない実態です。
制度導入だけでは効果が見えにくく、対象範囲や給付イメージを具体的に伝える説明設計が必要です。
福利厚生の価値を体感してもらうには、平時の理解促進を前提にした運用設計です。
就労不能リスクの不安と備えのギャップ

- 就労不能時の不安「生活費」:62.4%
- 就労不能時の不安「治療費・入院費」:52.5%
- 経済的にしっかり準備できている:4.6%
- 準備不足(あまり+できていない):64.1%
- 所得補償導入を希望する回答:66.8%
社員の不安は高い一方で、実際の備えは十分でないというギャップが数字で明確になりました。
この差を埋める手段として、福利厚生内での所得補償の整備は、採用競争力だけでなく離職抑制にもつながりやすい施策です。
制度設計と周知設計を同時に進めることが、福利厚生満足度の底上げに直結します。
福利厚生は「導入したら終わり」ではなく、社員が理解して使える状態まで設計して初めて価値が出ます。
今回の調査は、団体保険とGLTDの認知改善が、満足度改善の最短ルートであることを示した結果です。
福利厚生満足度を左右する要因が見えた!
MS&ADインターリスク総研「大企業社員1,000人団体保険・GLTD意識調査」の紹介でした。
よくある質問
Q. この調査はどの規模の企業社員を対象にしていますか?
社員数2,000人以上の企業に勤務する社員1,000人を対象に実施されています。
Q. 福利厚生を重視する社員はどのくらいいますか?
就職・転職時に福利厚生を「重視する」「やや重視する」と回答した割合は77.6%です。
Q. GLTDの認知状況はどの程度ですか?
「聞いたことがなく全く知らない」が49.5%で、導入認知は12.3%にとどまっています。