物質調律家/インダストリアル・プロダクトデザイナーの山崎タクマ氏による個展「WORKWORKWORK」が、2026年2月7日(土)と2月8日(日)の2日間、東京・渋谷にて開催されます。
他者の心臓の音から生まれたアートプロジェクト《PromPlant(R)》の新作《PromPlant(R) HeartBeat_Fumi Hashimoto_2026》が発表されます。
山崎タクマ 個展「WORKWORKWORK」

展示タイトル:WORKWORKWORK(ワークワークワーク)
アーティスト:山崎タクマ(Takuma Yamazaki)
会期:
- 2026年2月7日(土)16:00-20:00 (17:00-19:00 シャンパンと軽食)
- 2026年2月8日(日)11:00-19:00 (17:00-19:00 シャンパンと軽食)
会場:SLOTH
所在地:〒150-0041 東京都渋谷区神南1-14-7 ワイズ神南ビル 2F
本展の展示タイトルは、「WORKWORKWORK(ワークワークワーク)」。
この言葉は、作品(WORK)/仕事(WORK)/ワクワク(WORK) という三つの意味から生まれています。
子供が生まれてから、山崎氏は「楽しむこと」の重要性をあらためて思い出したことも、この展示タイトルに影響を与えています。
山崎タクマ氏は、制作を暮らしや日常における哲学の延長と捉えており、それを仕事として切り分ける考えを持たない作家です。
会場は、作品を鑑賞するだけの場ではなく、椅子やテーブルを設え、来場者が座り、考え、会話し、仕事をすることも許容できる空間として構成されます。
また、山崎氏は自身が不在で、作品だけが置かれている展示は行わない作家です。
会場空間の在り方や空気の質を他者に委ねる展示を行わず、空間のオペレーションそのものを自らの作品の一部として捉えています。
本展では2日間にわたり、両日ともシャンパンと軽食が無料で振る舞われる予定です。
展示空間そのものが、作品と同様に体験され、人間同士の思想が自然に交わり、認知世界が広がっていくための場として設計されています。
出展作品
個展「WORKWORKWORK」で展示される作品の一部を紹介します。
《PromPlant(R) HeartBeat_Fumi Hashimoto_2026》
山崎タクマ氏が2023年より、生成AIを用いて、これまで出会ったことのない植物の姿や形を可視化・探求することから始まったアートプロジェクト《PromPlant(R)》。
その活動は、今治タオルを製造する老舗メーカー 株式会社渡辺パイル織物とのコラボレーションへと展開し、表現の手法や展開のあり方そのものを問い直す試みへと発展してきました。
《PromPlant(R) HeartBeat》は、2025年に発表されたシリーズです。
自身の心臓の音という、現実世界に確かに知覚できる現象を生成AIのプロンプトとして用い、植物の姿を生成する試みとして制作されました。
本作《PromPlant(R) HeartBeat_Fumi Hashimoto_2026》は、その次作として制作された新シリーズです。
本作では初めて、自分以外の心臓の音を用いて制作が行われています。
制作の背景には、2025年にニューヨークで発表された《PromPlant(R) HeartBeat》シリーズの作品を見た方から連絡を受けたことがあります。
その方はがんを患い、日々移ろう身体の痛みや変化、微細な感覚と向き合いながら、命の尊さを考える時間を過ごしており、心音の波形から植物を派生させる作品のコンセプトを非常に気に入ってくれました。
この偶然の出会いが、山崎タクマ氏の心を動かし、その方の心臓の音を用いて植物の姿を生成するという、本作のプロジェクトへとつながりました。
本作は、ある心臓が確かにこの地球上に鼓動しているという事実を、言葉を持たない植物という姿に変換し、作品の中に留めたものです。
なお、本作は展示終了後に、心臓の音の提供者本人のもとへお渡しされる予定であり、販売は行いません。
Bio-Vide(バイオ・バイド)

養豚場や屠畜場のリサーチをベースに、生命感と物質感の境界を問う山崎タクマ氏の代表作。
魚皮や牛骨などの素材アプローチを経て、現在は落ち葉を中心とした作品群(特許取得)を展開しています。
“有生性”を感じさせる現象・質感・造形を探求している作品です。
「Bio-Vide(バイオ・バイド)」プロジェクトは彼が23歳の時に生まれたプロジェクトであり、「生物の観るべきもの」を意図しており、家畜保健衛生士の父の影響を強く受けています。
Lexus Design Award 受賞作品/ミラノサローネ招待展示作品です。
音色鉛筆で描く世界 - Sound of Drawing(サウンド・オブ・ドローイング)

全盲の方との共同ワークショップを通じて生まれた、“音を聴くための文具”。
紙と鉛筆の摩擦音を増幅するアナログシステムの開発によって、視覚に頼らない創造行為を実現しています。
nendoの佐藤オオキ氏から高い評価を受け、コクヨデザインアワード史上初のグランプリ・オーディエンス賞ダブル受賞作品です。
Anima-Code(アニマコード)

SNS利用者が死を迎えた後に残される“データの在り方”について問いかける作品。
QRコードを刻印したハンコ型プロダクトを用い、データアクセスに身体性や感情の「道」を伴わせる設計がなされています。
透明素材からできたそのハンコは桐箱に収められ、「未来のお墓」の形を示唆しています。
A'Design Award(イタリア)ブロンズ/DFAアジアデザイン賞ブロンズK-Design Award(韓国)受賞作品です。
※「QRコード」はデンソーウェーブの商標登録です。
Humanoid Camera / HC-jizo(TM) #13

カメラメーカー勤務時代に構想していた自律撮影型カメラを彫刻的に昇華した作品。
マイク部は“耳”のように大きく、パン方向の回転軸は“首”のようにくびれており、“頭”が存在する生き物のような明確なボディデザインとなっています。
工業製品としては実現が困難だったこの構想を、祈りと感情を受け止める「jizo(地蔵)」という名で造形化しました。
2022年に発表した作品です。
O3 Cosmic Memory(オースリー・コズミックメモリー)

《O3 Cosmic Memory》は、静かに輝く光の彫刻であり、実際に成層圏に到達した株式会社岩谷技研のガス気球膜素材を用いて制作されました。
その膜素材を、「宇宙の入り口」に触れた記憶を宿す貴重なマテリアルと捉え、標本のように保管・鑑賞するための照明彫刻として再構築しています。
2025年6月発表の作品です。
PromPlant(R) - Immersion Textile

生成AIに用いる“プロンプト”を、盆栽における人間の「治具(ジグ)」と捉えた視点から生まれたプロジェクト。
まだ出会ったことのない未知の植物の姿を生成・デザインし、その形態から柄を作成。
今治タオルを製造する老舗メーカーである株式会社渡辺パイル織物とのコラボレーションにより、ジャカード織りによるテキスタイルを制作しています。
タオルの象徴であるパイルをあえて持たない構造にすることで、高い耐久性と独自の質感を両立した新たなテキスタイル表現「イマージョンテキスタイル」を考案しました。
2023年の個展「ものづくりは感動と共に」にて発表された作品です。
PromPlant(R) - HeartBeat Series

PromPlant(R)のシリーズで、2025年、ニューヨークの個展で発表されました。
自身の心臓音を録音し、その波形をプロンプトとして植物の姿を生成。
複製の象徴として用いたシルクスクリーンの道具を、あえて一点もの絵画の構成要素として取り込んでいます。
本作は15点の新作群として発表されました。
協力企業
- 株式会社岩谷技研
- 渡辺パイル織物株式会社
- SPACEAGENT株式会社
- ふつか印刷
山崎タクマ氏 プロフィール
山崎タクマ/物質調律家/インダストリアル・プロダクトデザイナーの山崎タクマ。
1990年 北海道生まれ。
キヤノン株式会社にて6年間勤務し、一眼レフカメラ、コンパクトデジタルカメラ、レンズ、新規事業製品の本体デザインを担当。
在籍中(28歳)に設立・運営していたTAKUMA YAMAZAKI DESIGN 合同会社の経営に集中するため独立。
独立後の1年間で、マイク、スピーカー、ヘアケアデバイス、波動制御インテリアアイテム2種など、5製品の提案・モデリング・設計・量産対応を行い、すべてにおいてクライアントの目標期間内での発売を達成。
デザインした製品がベストセラーNo.1を記録しました。
20代でレクサス デザインアワード、コクヨ デザインアワード、iF デザインアワードなど、国内外の大規模デザインアワードを多数受賞。
現在は宇宙デザイン開発や防衛に関わっており、宇宙船のデザインやスペースコロニーの実現、デザインによる日本国の強化に向けて尽力しています。
また、物質調律の道を極めるため作家としても活動。
0.01mmの設計・デザイン世界とアート領域を横断する中で「industrial Artistry」を提唱。
2025年、ニューヨークのギャラリーと契約し、マンハッタンにて個展「industrial Artistry」を開催。
作品の取引が行われた実績があります。
作品を鑑賞するだけでなく、来場者が考え、会話し、仕事もできる空間でアートに触れられる個展です。
山崎タクマ氏の個展「WORKWORKWORK」の紹介でした。