Disney+(ディズニープラス)『スター・ウォーズ:ビジョンズ』Volume3/『ユコの宝物』橘正紀監督インタビュー

Drama(映画・エンタメ)

“見たかったSW”をドタバタ劇で自由に描く!スター・ウォーズ:ビジョンズ Volume3『ユコの宝物』橘正紀監督インタビュー

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世界的に愛される『スター・ウォーズ』の物語を、アニメーションスタジオが自由な発想で描く——。

そんな夢のようなプロジェクト『スター・ウォーズ:ビジョンズ』がVolume3に突入!

再び日本のスタジオが中心となり、9つの新たな物語が誕生しています。

今回は、『スター・ウォーズ:ビジョンズ』Volume3に参加したアニメーション監督・橘正紀さんにインタビュー。

『スター・ウォーズ』という巨大な存在にどう向き合い、どんな創意工夫を凝らしたのか、そして自身が手がけた『ユコの宝物』に込めた想いについてお話を伺いました。

 

Disney+(ディズニープラス)『スター・ウォーズ:ビジョンズ』Volume3/『ユコの宝物』橘正紀監督インタビュー

 

 

世界的に愛される『スター・ウォーズ』の物語を、アニメーションスタジオが自由な発想で描く。

そんな夢のようなプロジェクト『スター・ウォーズ:ビジョンズ』が、ついにVolume3に突入し、2025年10月29日よりディズニープラスで独占配信がスタートしています。

今回、再び日本のスタジオが中心となり、9つの新たな物語を紡いでいます。

そのうちの一編『ユコの宝物』を手がけたのは、キネマシトラスのアニメーション監督・橘正紀さん。

『スター・ウォーズ』という巨大な存在にどう向き合い、どんな創意工夫を凝らしたのか、そして自身が手がけた『ユコの宝物』に込めた想いについて、Dtimes編集長・あずさゆみがお話を伺いました。

 

キネマシトラス・橘正紀監督

キネマシトラス・橘正紀監督

テレビアニメ初監督作品『東京マグニチュード8.0』で平成21年度(第13回)文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門の優秀賞を受賞し、その後『プリンセス・プリンシパル』や『ばらかもん』など人気作の監督を務めるトップクリエイター。

同じくキネマシトラスから参加する垪和等監督の『彷徨う者たち』とはまた違った雰囲気で楽しめる作品を作り上げた。

 

見たかったスター・ウォーズを描くということ

 

Disney+(ディズニープラス)『スター・ウォーズ:ビジョンズ』Volume3/『ユコの宝物』橘正紀監督インタビュー2

 

世界的に評価されるアニメーションスタジオが、「スター・ウォーズ」を独自の視点と自由な発想で描く。

そんな夢のようなプロジェクトが『スター・ウォーズ:ビジョンズ』です。

Volume3でキネマシトラスとして参加した橘正紀監督は、「リスペクトを込めて、もう開き直ってやるしかないと思った」と語ります。

 

『スター・ウォーズ』はあまりに巨大で影響力の強い存在。

避けようとしてもどこかで“らしさ”がにじみ出てしまう。

だからこそ、そこに正面から向き合い、思いきり楽しんで描くことが、このプロジェクトの醍醐味だといいます。

 

公式で「スター・ウォーズ」を再解釈するという贅沢

 

橘監督が参加を通して強く感じたのは、公式の場で「スター・ウォーズ」を再解釈できるという特別な自由でした。

「自分が見たい『スター・ウォーズ』を、正式なプロジェクトで作れるなんて贅沢すぎる」と語るように、そこにはクリエイターたちの熱量が詰まっています。

参加スタジオの中には、橘監督がかつて仕事を共にした仲間も多く、「みんな思い思いにスター・ウォーズを料理しているのが面白かった」と、全体の盛り上がりを語ってくれました。

 

自立と冒険——『ユコの宝物』が描く物語

 

Disney+(ディズニープラス)『スター・ウォーズ:ビジョンズ』Volume3/『ユコの宝物』橘正紀監督インタビュー

 

そんな中で誕生したのが、橘監督が手がけた『ユコの宝物』です。

『ユコの宝物』は、両親を亡くした少年ユコと、彼を守るもふもふのドロイド・ビリーの物語。

「甘ったれで親離れできない子が、自分の足で未来を切り開く話を描きたかった」と橘監督。

旧三部作でもおなじみの惑星・タトゥイーンを舞台に、ドタバタの冒険を通じて、少年の成長と“自立”が描かれていきます。

かわいらしく描かれたキャラクターや明快なストーリーラインは、まさに大人も子どもも楽しめるアニメーション。

本作には“ジェダイ”や“フォース”といった明確なスター・ウォーズ要素は登場しませんが、随所に『スター・ウォーズ』らしいエッセンスが添えられています。

「動物を描くのが好き」という橘監督は、ジャワやロント、クレイトドラゴンなどの様々な種族やクリーチャーを登場させ、物語に彩りを与える存在に。

特に足が16本あるクレイトドラゴンの作画には膨大な労力がかかったそうで、「アニメーターたちが楽しんで動かしてくれたのが印象的でした」と語ります。

 

もふもふのドロイド・ビリーができるまで

 

本作のもう一人の主人公とも言えるのが、もふもふのクマ型ドロイド・ビリーです。

少年ユコのそばで常に寄り添い、時に守り、時に叱る——そんな“お世話ドロイド”として描かれる彼ですが、当初は“ビッグサイズのぬいぐるみのような存在”だったそう。

最終的には“もふもふでかわいらしい、でも頼れるドロイド”としてビリーのデザインは固まっていきました。

これまでもふもふのドロイドは描かれてことがなく、「ここまでアレンジしていいのか迷った」と話す監督ですが、クリエイターの感性を信じて自由を楽しむ“ビジョンズ精神”が、このユニークなキャラクターに結実しています。

 

子どもも大人も楽しめる、明快な冒険譚

 

「子どもが見て楽しめて、わかりやすい作品を目指しました」と橘監督。

ユコとビリーの冒険は、世代を問わず心を温めてくれるはずです。

 

 

『スター・ウォーズ:ビジョンズ』Volume3のなかでも、明るく賑やかな本作。

シリーズに多様な彩りを添える存在として、多くのファンの心に残ることでしょう。

『スター・ウォーズ:ビジョンズ』Volume3は、ディズニープラスにて独占配信中です。

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取材・編集:あずさゆみ(Dtimes.jp)

WebメディアDtimes.jpディレクター/フリージャーナリスト
かわいいもの、おいしいものが大好き。フリーライター、フォトグラファーとしても活動中。

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