ピーター・ジャクソン監督が、『ロード・オブ・ザ・リング(以下LOTR)』3部作の前日譚である小説「ホビットの冒険」の実写化に挑んだアドベンチャー『ホビット』シリーズ。
『ホビット 思いがけない冒険』、『ホビット 竜に奪われた王国』、『ホビット 決戦のゆくえ』の全3作を徹底紹介します。
映画『ホビット』シリーズ全3作品紹介

『ホビット 思いがけない冒険』
『LOTR』シリーズの新たなる一章でもあり、映像のクオリティは『LOTR』をも凌ぐ信念に満ちた大冒険を描く『ホビット』シリーズ
『LOTR』で人気を博したキャラクターたちが再登場し、見応えたっぷりのアクションを繰り広げる全3作品を徹底紹介していきます。
『ホビット 思いがけない冒険』

『ホビット 思いがけない冒険』
価格:ブルーレイ2,619円(税込)/DVD1,572円(税込)デジタル配信中
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
制作:2012年/アメリカ
上映時間:170分
タイトル:ホビット 思いがけない冒険(原題:The Hobbit: An Unexpected Journey)
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの前章となる「ホビットの冒険」を映画化したトリロジーの幕開けとなる第1作目は『ホビット 思いがけない冒険』
『ロード・オブ・ザ・リング』3部作よりも60年前のはまだ滅びの影の色濃くない中つ国が描かれ、人間、エルフ、ドワーフ、ホビットなどがそれぞれ暮らす場面からスタートします。
主人公のホビット族の青年ビルボは、ある日魔法使いのガンダルフの訪問を受け、その昔、竜のスマウグに占領されたドワーフの王国、はなれ山を取り返すための冒険へと誘われます。

『ホビット 思いがけない冒険』
ガンダルフと13人のドワーフたちと一緒に旅をすることになったビルボは危険に満ちた荒野を進み、その一行をつけ狙うはオーク族たち。
ドワーフの王で一緒に冒険をするトーリンは祖父の代からオーク族の王アゾグとの因縁があり、アゾグがトーリンを恨み、付け狙っていたのです。
ビルボと13人のドワーフ、そして魔法使いガンダルフの冒険と、それを狙うオーク族の陰謀。

『ホビット 思いがけない冒険』
そこに裂け谷に暮らすエルフや地底に住むゴブリン、そして「一つの指輪」を持つゴラムなど、さまざまな種族、背景を持つものたちの思惑が交差します。
© 2012 Warner Bros. Ent. TM Saul Zaentz Co.
『ホビット 竜に奪われた王国』

ホビット 竜に奪われた王国
価格:DVD1,572円(税込)デジタル配信中
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
制作:2013年製作/アメリカ
上映時間:161分
タイトル:ホビット 竜に奪われた王国(現代:原題:The Hobbit: The Desolation of Smaug)
『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の60年前を舞台にした新たなる冒険トリロジーの第二部は『ホビット 竜に奪われた王国』
オーランド・ブルームが演じた人気キャラクター、レゴラスが再登場し大きな話題となりました。
獰猛で邪悪な竜、スマウグに奪われた王国、はなれ山を取り戻すために13人のドワーフと旅に出たビルボたちでしたが、危険に満ちた旅路には幾度も困難が降り注ぎ、一行は大きなピンチに見舞われていました。
オーク族のアゾグとの因縁の戦いを切り抜けたトーリンでしたが、逃げ込んだ闇の森で暗闇のエルフに捕まってしまいます。
ビルボがゴラムが落とした指輪の力を使い、ドワーフたちを脱出させ逃亡は成功しますが、アゾグの息子ボルグが登場し、湖へと追い立てられる一行。
船頭をするバルドと出会い、湖を渡ってエスガロスというはなれ山のふもとの町へたどり着きます。
エスガロスからついにはなれ山へと入ったビルボたちはついに邪悪な竜スマウグと対峙。

ホビット 竜に奪われた王国
世界の覇権を狙う者たちと、国を守ろうとする者たちの熾烈な戦いの火蓋が切って落とされるスリリングな一作です。
© 2013 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. The Hobbit: The Desolation of Smaug and The Hobbit, names of the characters, events, items and places therein, are trademarks of The Saul Zaentz Company d/b/a Middle-earth Enterprises under license to New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.
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『ホビット 決戦のゆくえ』

『ホビット 決戦のゆくえ』
価格:ブルーレイ2,619円(税込)/DVD 1,572円(税込)デジタル配信中
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
制作:2014年/アメリカ
上映時間:145分
タイトル:ホビット 決戦のゆくえ(原題:The Hobbit: The Battle of the Five Armies)
アカデミー賞最多受賞タイ記録を樹立した『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズへと続く『ホビット』シリーズの終幕を飾る作品であり、映画史に残る一つの壮大なサーガの完結編です。
邪悪な竜スマウグとの対決を果たしたホビットのビルボとドワーフたちはついにドワーフの王国の奪還に成功。
怒ったスマウグをエスガロスの弓の名手バルドが仕留め、決着はついたかに見えましたが、ドワーフの王トーリンが黄金に取り憑かれる竜の病に冒されてしまい、それが原因で財宝の取り分を求める人間たちと暗闇のエルフの連合軍とドワーフとの戦いが勃発してしまいます。
そしてまた、徐々に勢力を強めていた冥王サウロンと結託したオークの軍勢がはなれ山を目指して侵攻を始め事態は三つ巴の戦いへと発展。

『ホビット 決戦のゆくえ』
究極の選択を強いられたドワーフ、エルフ、人間はともにオークの大群に対抗することを選び、お互いに協力して圧倒的なオークの軍勢に立ち向かい竜の病のせいで正気を失っていたトーリンも、ようやく目を覚まします。
種族を超えた大決戦、『LOTR』へと続く壮大な物語の終幕です。
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©2014 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
『ホビット』シリーズの楽しみ方いろいろ

『ホビット 思いがけない冒険』
『ホビット』三部作には構図やキャラクターの仕草の共通点など、『LOTR』シリーズへのオマージュが随所に散りばめられていて、『LOTR』ファンなら、何倍も楽しめてしまうシーンに満ちています。
例えば『ホビット 思いがけない冒険』でガンダルフがビルボの家を突然訪ね、小さな家の天井に頭をぶつけそうになってしまうシーン。
これは『LOTR』1作目でガンダルフがホビットたちの屋敷を訪れた場面とそっくりです。
ビルボの指に一つの指輪がはまる瞬間のシーンも『LOTR』に登場するシーンと構図が同じ。
壮大な物語ゆえに、そのバックグラウンドや設定が緻密であることこそシリーズをファンが溺愛する所以です。
『LOTR』を楽しんでから『ホビット』を観る頃にはその世界観にどっぷりはまってしまうはず。
『LOTR』を観たことがない人が観ても最高に楽しめますが、『LOTR』に想いを馳せながら細かい点に注目しながら味わうと何倍も楽しめるのが『ホビット』シリーズなのです。
『LOTR』と『ホビット』の人間関係と繋がり

ホビット 竜に奪われた王国
2つのシリーズの時代背景には60年間のインターバルがありますが、どちらの時代にもあまり変わらない姿で登場するキャラクターも複数。
歳を取らないエルフや年齢の概念がない魔法使いの種族です。
その他に、親子関係や友人関係をチェックすると2つの世界の繋がりがさらに色鮮やかに。
例えばドワーフのグローインの息子は『LOTR』でレゴラスのかけがえのない友人となるギムリ。
それを考えるとグローインが肌身離さず持っていた妻と子(ギムリ)の写真を見たレゴラスが、悪口を言う場面にはクスリと笑いが込み上げます。
『LOTR』の主人公フロドが持っている剣、「つらぬき丸」も、おじであるビルボが手に入れたものをビルボが受け継ぎました。
スマウグを演じたベネディクト・カンバーバッチ

『ホビット 決戦のゆくえ』
スマウグとネクロマンサー(サウロン)の二役を演じているのは人気ドラマシリーズ『SHERLOCK』のシャーロック役、英国俳優ベネディクト・カンバーバッチ。
主演ビルボ役のマーティン・フリーマンは同じく『SHERLOCK』でシャーロックの相棒ジョン・ワトソンを演じていて、2人は違う作品ではコンビ同志だったんですね。
『ホビット』シリーズ撮影時には対面することはなかったそうですが、相棒役から敵同士として象徴的な役を演じた2人は縁深い間柄です。
ベネディクトは原作のスマウグの大ファンで、『ホビット』のオーディションの際、ピーター・ジャクソン監督からスマウグ以外の役の打診も受けていましたが、スマウグ役を熱望してこの配役が実現。
声のみならずモーション・キャプチャーで実際に表情や動作を熱演しています。
『ホビット』シリーズに登場するキャラクター
『LOTR』に登場するキャラクターの再登場や、『LOTR』のキャラクターとの繋がりが深い人物がたくさん登場するのが『ホビット』シリーズの大きな見どころ。
『ホビット』シリーズに登場するキャラクターを種族別に紹介します!
ビルボ・バギンズ(マーティン・フリーマン)

『ホビット 決戦のゆくえ』
種族:ホビット
中つ国に住んでいたビルボは平和な毎日を楽しんでいましたが、もともと冒険好きな家系であり、ガンダルフに誘われて好奇心を抑えられずにはなれ山奪還のための旅へ同行。
トーリンからは足手まといだと言われていましたが、勇敢で誠実なビルボははなれ山の奪還に欠かせない存在へと変わっていきます。
冒険の途中に見つけたエルフの短剣と、ゴラムが落とした金の指輪(一つの指輪)を手に入れ、その力をうまく使って様々な危機的局面で活躍。
灰色のガンダルフ(イアン・マッケラン)

『ホビット 決戦のゆくえ』
種族:魔法使い
グレイに輝くの長い髭と髪を持つ魔法使いで、エルフたちからはミスランディアと呼ばれています。

『ホビット 思いがけない冒険』
知の賢者であり、優れた剣の使い手でもあるガンダルフはこの頃からサウロンの動きを注視していて、はなれ山を占拠した竜がサウロンと組むことを危惧しています。
はなれ山を奪還するための冒険に、「忍びの者」としてホビット族のビルボをスカウト。
『LOTR』第1作目でビルボがフロドに譲り渡した指輪が「一つの指輪」であることを察知したガンダルフですが、『ホビット』シリーズでは終幕までビルボ何かを隠し持っていることは察しているものの、それが「一つの指輪」であることには気が付いていません。
トーリン・オーケンシールド(リチャード・アーミテージ)

『ホビット 思いがけない冒険』
種族:ドワーフ
ドワーフ族の王であるトーリン、オーケンシールドの呼び名は、オークとの戦いで樫の木を盾にして戦ったことからつけられたもの。
アゾグに祖父を殺されて、そのために父親までも正気を失ってしまったため、オークを強く憎んでいますが、トーリンもまたアゾグの右腕を切り落としたことで命を狙われています。
竜に自分たちの王国であったはなれ山を占拠された時に、エルフたちが竜を恐れて戦わずに帰ってしまったのを見て以来エルフに恨みを持っています。

『ホビット 思いがけない冒険』
誇り高い勇敢な戦士ですが、はなれ山を奪還した後「竜の病」にかかってしまいそれが人間たちとの確執の原因に。
戦いの最中、ドワーリンの言葉で目覚めてアゾグとの一騎打ちへと向かいます。
ボフール(ジェームズ・ネスビット)
種族:ドワーフ
音楽や歌が大好きな陽気なドワーフ。
足手まといだと言われて傷ついて帰ろうとするビルボを引き止めます。
グローイン
種族:ドワーフ
怒りっぽい性格で火おこしが得意です。
『LOTR』に登場するギムリの父親で、彼が使っていた斧はグローインから引きついただもの。
ラダガスト(シルベスター・マッコイ)

『ホビット 思いがけない冒険』
種族:魔法使い
長いひげと茶色の帽子に茶色のマントをつけた、茶の魔法使いです。
動物を愛する変わり者の魔法使いで、森の様子を観察しているため、サウロンの暗躍による異変にいち早く気がつくことができました。
ガラドリエル(ケイト・ブランシェット)

『ホビット 思いがけない冒険』
種族:光のエルフ
裂け谷に住んでいて、夫とともに統治する権力者です。

『ホビット 決戦のゆくえ』
サウロンに対抗するために結成された白の会議の一員で、ガンダルフの力強い味方。
サルマン(クリストファー・リー)
種族:魔法使い
魔法使いの中でも最も偉大とされる白い魔法使い。
偉大な叡智と力を持つとされていますが、ガンダルフからの報告に聞く耳を持たず、ビルボたちの旅にも賛成していません。
エルロンド(ヒューゴ・ウィービング)

『ホビット 思いがけない冒険』
種族:光のエルフ
裂け谷の領主で人間とエルフを親に持っています。
裂け谷にやってきたドワーフたちとビルボを歓迎し、はなれ山への地図も解読してくれました。
ゴラム(アンディ・サーキス)

『ホビット 思いがけない冒険』
種族:ホビット
本当の名前はスメアゴルで、友人を殺して「一つの指輪」を奪って以来、指輪の魔力に取り憑かれて姿が変わり果て、2つの人格を持つように。
地底湖に住み着いていて、地上から落ちてきた者を食べて暮らしています。
なぞなぞが大好き。
レゴラス(オーランド・ブルーム)

『ホビット 竜に奪われた王国』
種族:暗闇のエルフ
闇の森に住むエルフ。
王であるスランドゥイルの息子で、高い身体能力と優れた弓の腕を持ち、高潔な性格です。
闇の森に侵入してきたトーリンたちを捕まえたことも。
タウリエルのことを想っていますが、父親のスランドゥイルには身分の違いから交際を許されていません。
タウリエル(エヴァンジェリン・リリー)
種族:暗闇のエルフ
闇の森のエルフで、近衛隊長を務めています。
王子であるレゴラスとは幼馴染です。
高い戦闘能力を持ち、闇の森に侵入してきたドワーフをレゴラスとともに捕まえました。
ドワーフのキーリに好意を持っています。
バルド(ルーク・エヴァンズ)

『ホビット 決戦のゆくえ』
種族:人間
はなれ山の近く、湖のほとりの町エスガロスで船頭をしているバルド。
その昔、竜のスマウグがエスガロスを襲撃した時に、黒い矢でスマウグの胸の鱗を剥がした領主ガリオンを先祖に持っています。
ガリオンが使った黒い矢の残りの1本を持っていて、それを使ってスマウグにとどめを刺しました。
はなれ山の竜を起こせば町が焼き尽くされるという予言を知っていたため、ドワーフたちがはなれ山に入ることには反対でした。
オーク(種族)

『ホビット 決戦のゆくえ』
最期までビルボたちにとっての最恐の脅威となったアゾグやその息子のボルグたちの種族であるオーク。
巨体を持ち、凶暴かつ剛腕です。

『ホビット 思いがけない冒険』
サウロンの闇の軍勢として、はなれ山へと侵攻します。
ゴブリン(種族)

『ホビット 思いがけない冒険』
J.R.R.トールキンの原作ではオークと同義で描かれていますが、『ホビット』に登場するゴブリンはオークに比べると小さく、姿も違います。
ビルボが手にしたエルフが作った剣はゴブリンやオークが近づくと発光するように鍛えられていました。
地下に落ちてしまったドワーフたちを捕まえ、窮地に陥れたのがこのゴブリンです。
ピーター・ジャクソン監督が『LOTR』3部作の前日譚の実写化に挑み、『LOTR』をも凌ぐアドベンチャーで魅せる『ホビット』シリーズ。
『LOTR』で人気を博したキャラクターたちが再登場し、見応えたっぷりのアクションを繰り広げる『ホビット 思いがけない冒険』、『ホビット 竜に奪われた王国』、『ホビット 決戦のゆくえ』全3作を徹底紹介しました。
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ全3作品を紹介したまとめ記事もぜひご覧ください。
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