2019年に80周年を迎える「DC」を代表するヒーロー「バットマン」
その「バットマン」の80周年アニバーサリープロジェクトとして、渋谷を中心とした様々なコラボレーション企画が実施されています。
映画、アニメ、ゲームと幅広いジャンルで人気のDCコミックス。
今回、そのDCコミックスの共同発行人でチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)のジム・リー氏にDtimes編集部がインタビュー!
アニバーサリーイヤーを迎えた「バットマン」への思い、そしてこれからの80年に向かっての思いなど、貴重なお話を伺いました。
DCコミックス コミックアーティスト ジム・リー氏インタビュー
DCコミックスの共同発行人でチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)のジム・リー氏。
自身の創作活動において、日本には様々なインスピレーションを受けていると話し、今回の「バットマン 80周年アニバーサリープロジェクト」の中心となる渋谷は、特に思い入れのある場所だと話します。
リー氏はまず最初に、CCOという職務について解説してくださいました。
ジム・リー氏:
DCのキャラクターをメディアをとおして世の中に出していくのが私の仕事です。
どういう風にしてキャラクターの魅力を世の中にアピールしていくか、各部署と協業しながら、ベストなものを戦略的に作りだしていくのです。
その際に意識しているのは、キャラクターの価値観や定義。
様々なメディアで展開されていくにあたり、キャラクターの設定の一貫性は最も大切にしているものの一つなんです。
ーー「バットマン」は、2019年で80周年という節目を迎えたわけですが、DCの代表の一人としてはもちろん、「バットマン」を描いてきたコミック・アーティストとして、どのような心境でいらっしゃいますか?
ジム・リー氏:
作り手として一日中没頭していたときが懐かしいと思うこともありますが、80周年というセレブレーションを迎えたいま、毎日わくわく、エキサイティングしている気持ちで仕事をしています。
現在、同時進行で制作されているコンテンツは、長編映画が2−3本、TVシリーズが10本以上と様々。
この全てを監修することができ、一流のクリエイターたちと組むことができるのはとても嬉しいことだと感じています。
ーー大学では心理学を学んだ経験がおありとのこと。
コミックの創作に、心理学も活かされているのでしょうか。
ジム・リー氏:
クリエイターとしてストーリーを作る際、何がキャラクターの動機になるのかというのは非常に重要なポイントになります。
たくさんの登場キャラクターは、それぞれが違った時を過ごしてきて、異なった人格が形成されてきています。
同じ事象を前にしても、一人一人、感じ方が違ってくるのです。
それがストーリーの面白さを作っていく要素のひとつだと考えています。
コミックを描いて行く上でも、キャラクターのジェスチャーの表現には心理学的な視点が活かされています。
ーー先程、キャラクターの定義や価値観を大切にしていると伺いました。
「バットマン」は誕生から80周年を迎え、非常に長い歴史を持つキャラクターですが、定義や価値観が時代に応じて変化していったという事例はあるのでしょうか?
ジム・リー氏:
もちろん、大部分においてはこのキャラクターはこう、というコアバリューはあります。
しかし、時代の流れや技術の変化によって変わっていく可能性は大いにあります。
例えば、「バットマン」においては、最初は銃を使うキャラクターでしたが現在は使用していません。
今後、技術の進化によってバットスーツそのものが再現可能になった場合、“スーパーパワーを持っていない”という設定の「バットマン」を維持していくために、定義や概念を変えるときが来るかもしれない。
もしかしたら、「バットマン」が空を飛んだり、壁の向こうを透視できるようになる日がくるかもしれませんね。
これからのクリエイターが想像できる余白を残していきたいと考えています。
ーー日本の「バットマン」のセレブレーションの舞台は渋谷という若者の街。
「MAGNET by shibuya 109」では様々なコラボレーション企画が開催されています。
ファッションやグッズ、コラボメニューきっかけに、はじめて「バットマン」や「DC」というコンテンツに触れる方も多いのではないかと思います。
ジム・リー氏:
DCの世界に入りこむきっかけは映画やコミックが入り口になりがちだと思っていたのですが、ファッションアイテムやキャラクターグッズが入り口になり得るというのは興味深いですね。
誰にでもお気に入りのアイテムがあると思いますが、キャラクターがついているとパワーの源になりますよね。
例えば、「フラッシュ」の靴を履いていると早く走れそうだとか(笑)
ファッションアイテムに描かれたキャラクターの、このルックスが好きだとか、デザインが好きとかそういうことがきっかけになってもいいと思っています。
渋谷というエネルギーにあふれている若者の街に「バットマン」があふれるのはとても嬉しいですね。
ーー「バットマン」は、現代人のDNAにすり込まれている代表的な“ヒーロー像”のひとつです。
「バットマン」というコンテンツは、この先の80年、どうなっていくと思いますか?
ジム・リー氏:
これから先の80年は、さらに違った世界になるのではないかと予想しています。
アメコミの世界がどんどん広がって行ったのは、技術が進化していったから。
紙の原稿の時代から、FAXになり、インターネットでデータが送れるようになり、クリエイターの層も世界中に広がっていきました。
今後の80年は、コミックを読む、映画を見るといった受け身のスタイルから、コスプレやAR、VRといった、自らその世界に入りこんでいく能動的なものに変わっていくように考えています。
より多様な楽しみ方のできる世界になっていくと面白いですね!
これからもDC作品に期待してください。
最初に東京を訪れた際、当時アメリカには無かった0.4mmのシャープペンシルに感激し、愛用していたというジム・リー氏。
リー氏にとって、東京はまさに魔法のような街で、「バットマン」に登場するゴッサムシティのように感じているとお話してくださいました。
これからも「バットマン」、そしてDCコミックスには目が離せません!
バットマンの80周年アニバーサリープロジェクトは、渋谷を中心に様々なコラボレーション企画を開催中。
「MAGNET by SHIBUYA109」では「DC POP UP STORE(DC ポップアップストア)」やコラボフード&ドリンクなどが登場しています。
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