新収蔵ミニチュア約300点を中心に紹介!たばこと塩の博物館「新収蔵ミニチュア展 名人小林礫斎を支えた二人の中田」

長板揃物

記事ポイント

  • 会期は2026年9月26日(土)~12月20日(日)
  • 中田藤之助のコレクション約300点が新たに収蔵
  • 入館料は大人・大学生300円

 

たばこと塩の博物館で、2026年9月26日(土)から12月20日(日)まで「新収蔵ミニチュア展 名人小林礫斎を支えた二人の中田」を開催しています。

ミニチュアの名人・小林礫斎を支えた、古美術商の中田藤之助と中田實の二人に焦点をあてます。

新たに収蔵された藤之助のコレクションを中心に、約300点のミニチュアと関連資料を一堂に展示します。

 

目次

たばこと塩の博物館「新収蔵ミニチュア展 名人小林礫斎を支えた二人の中田」

 

長板揃物

 

  • 名称:新収蔵ミニチュア展 名人小林礫斎を支えた二人の中田
  • ヨミ:シンシュウゾウミニチュアテン
  • ヨミ(続き):メイジンコバヤシレキサイヲササエタフタリノナカダ
  • 会期:2026年9月26日(土)~12月20日(日)
  • 主催:たばこと塩の博物館
  • 会場:たばこと塩の博物館 2階特別展示室
  • 所在地:東京都墨田区横川 1-16-3(とうきょうスカイツリー駅から徒歩10分)
  • 電話:03-3622-8801
  • URL:https://www.tabashio.jp
  • 入館料:大人・大学生:300円 / 小・中・高校生、満65歳以上の方:100円
  • 開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
  • 休館日:月曜日(ただし、10月12日、11月23日は開館)、10月13日(火)
  • 休館日(上記に加えて):11月24日(火)
  • 開館時間・休館日の変更:やむをえず変更する場合があります。
  • 最新の開館情報:公式Xかお電話でご確認ください。
  • 資料サイズの表記:縦×横×高さ(厚み)の順

 

たばこと塩の博物館で、2026年9月26日(土)から12月20日(日)まで「新収蔵ミニチュア展 名人小林礫斎を支えた二人の中田」を開催しています。

本展は4章で構成し、約300点のミニチュアと関連資料を一堂に展示します。

新たに加わった藤之助のコレクションを中心に、實のコレクションとの関係も交えて紹介します。

ミニチュアの魅力とともに、収集にかけた「二人の中田」の熱意も伝える展覧会です。

小林礫斎(1884-1959)は木工や牙彫(げぼり)を得意とした職人で、たばこ盆などの指物(さしもの)や、和装の装身具であった袋物の部材作りを生業としていました。

日本人の生活が和装から洋装へと移り変わるなか、本来の仕事は減っていきました。礫斎は持っている技術をミニチュア制作に転用し、稀代の名人となります。

精巧な作品は袋物商などを介して知られ、礫斎は多くの顧客を得ます。

顧客のなかには、古美術商の中田藤之助と、茶人の家に生まれ切手収集でも名を馳せた中田實の二人の中田がいました。

箱根の富士屋ホテル近くで古美術商を営んでいた藤之助は、昭和の初めに閉店し、ミニチュアの収集に乗り出しました。

その作品群は既存の骨董品と、礫斎ら一流の職人への新たな依頼品からなり、極小の茶道具や印籠、人形など逸品ばかりです。

このたび、その一部のおよそ300点がたばこと塩の博物館の収蔵品に加わりました。

もう一人の中田こと中田實も、礫斎の良き理解者でした。

礫斎に様々なミニチュア制作を依頼し、「中田實コレクション」を築きました。

同館はこのコレクションの寄贈を受け、これまで度々展覧会を開催してきました。

 

I.箱根の中田

 

中田兄弟商会店舗外観

 

中田藤之助は兄の松五郎と、明治19年(1886)に箱根の富士屋ホテル前に古美術の店舗を構えました。

松五郎が代表を務めた同店は中田兄弟商会と称し、古美術および陶磁器の名店として知られました。

その後、藤之助が代表を継ぎましたが、昭和3年(1928)に閉店することとなり、所蔵品の売立を行いました。

この時の売立目録には、仏像や甲冑、葵紋のある調度品から印籠のような小型のものまで全960点が掲載され、扱っていた品の多彩さが伝わります。

この章では、中田兄弟商会の店舗写真や売立目録などを通して、藤之助の商いのようすを紹介します。

売立目録に掲載され、現在はたばこと塩の博物館が収蔵しているたばこ盆なども展示します。

写真は中田兄弟商会の店舗外観です。

 

葵散し螺鈿蒔絵たばこ盆

 

葵散し螺鈿蒔絵たばこ盆(16.9×31.5×25.6cm)。売立目録には「一七一 紫檀葵蒔繪莨盆 銀牡丹彫煙管付」として載っています。

昭和初期に大蔵省専売局により収集され、現在は同館の収蔵品です。

 

II.中松庵藤翁コレクション

 

『中松庵藤翁蒐集竝鑑製 繊巧美術品目録』

 

藤之助は昭和3年(1928)の古美術商引退後に、ミニチュアの「蒐集」と「作製」を思い立ったといいます。コレクションの一部にある昭和8年や9年の表記が、職人たちに制作を依頼した時期を知る数少ない手がかりです。

藤之助の収集品「中松庵藤翁コレクション」は、小林礫斎を中心とする一流の職人たちへの依頼品や、藤之助が集めた小さな骨董品に新たに専用の箱を誂えたものなどからなります。

収集品の展観を考えていた藤之助は、叶うことなく昭和12年に他界しました。コレクションの全貌は、昭和15年に跡継ぎの中田恭義がまとめた『中松庵藤翁蒐集竝鑑製 繊巧美術品目録』によって世に知られることとなりました。

今回新たに収蔵されたコレクションは、同目録に収められたものの一部です。

この章では、藤之助が収集した骨董品と、当時一流の職人たちに制作を依頼したミニチュアを紹介します。

『中松庵藤翁蒐集竝鑑製 繊巧美術品目録』は、藤之助の跡継ぎである中田恭義が昭和15年(1940)に刊行しました。

作品目録と写真ページからなり、モノクロを中心に一部はカラーで掲載した豪華な一冊です。

関係職人の一覧も載っており、礫斎は象牙小細工師として掲載されています。

 

長板揃物

 

長板揃物(長板:4.64×9.84×0.27cm)。屏風や柄杓、茶筅などは礫斎作です。

 

掛花生 銘 空蝉

 

掛花生 銘 空蝉。本体はφ1.03×2.25cmです。

 

植木棚

 

植木棚(3.88×11.48×13.3cm)は紀州徳川家伝来です。

 

唐木提箪笥

 

唐木提箪笥(1.37×1.5×1.27cm)。作は矩曲、金具は村上定吉です。

 

小倉山蒔絵硯箱

 

小倉山蒔絵硯箱(5.3×4.2×1.33cm)。蒔絵は今泉成之、水滴は村上定吉、彫金は小林盛良です。

 

人形

 

人形(後列右端の人形:5.7×5.74cm)。藤之助のコレクションには、三折れ人形などの骨董の人形も多くあります。

 

交り金阿古陀香炉

 

交り金阿古陀(あこだ)香炉(φ2.3×1.77cm)。作は村上定吉、彫は小林盛良です。

 

印籠

 

印籠(左端の印籠:2.52×2.16cm)。左端は森田藻己作です。

 

机硯箱揃

 

机硯箱揃は、机が1.72×3.61×1.28cm、硯箱が1.36×0.86×0.32cm。作は小林礫斎、蒔絵は今泉成之です。

 

切子揃

 

切子揃(箱:17.8×34.7cm)は紀州徳川家伝来です。

 

III.もう一人の中田 中田實とその周辺

 

山内容堂画 閑翁図

 

中田實(1877-1946)は礫斎の良き理解者で、藤之助とともに主要な依頼主でした。

實の父は裏千家の高名な茶人・二代中田宗閑で、藤之助とは血縁はないものの、系図上では従兄弟にあたります。

實は小学生の頃から切手収集を趣味とし、その大家として知られていました。

昭和初期からミニチュアを集めはじめ、次第に自作したり、礫斎ら一流の職人たちに制作を依頼したりするようになったといいます。

藤之助と實は同時期に礫斎のミニチュアに熱中しましたが、収集方針は異なります。

既存の骨董品でも依頼品でも、藤之助は工芸品に重きを置いたようです。一方の實は「最小」を求めました。

たばこと塩の博物館は平成2年(1990)、中田實コレクションを借用して「小林礫斎とその世界 ~mm単位の繊巧美術~」展を開催しました。

その後、ご遺族のご厚意によりコレクションの寄贈を受け、展覧会を重ねてきました。

本章では、絵画や写真などの記録から、實の家族や職人たちとの交流、藤之助コレクションとの関係といった周辺事情を中心に紹介します。あわせて中田實コレクションの一部を展示します。

山内容堂画「閑翁図」(個人蔵)。閑翁とは、實の祖父で茶人の初代中田宗閑(1793-1871)のことです。

土佐藩主の山内容堂(1827-1872)は、閑翁の門弟として知られていました。

 

嵯峨人形

 

嵯峨人形(ケース:1.83×2.43×2.93cm)は、實自慢の一点です。

ケースは礫斎に依頼して専用にあつらえたものです。

 

象牙箪笥

 

象牙箪笥(左の箪笥:0.84×0.55×0.75cm)。作は小林礫斎、彫刻は浅野墨谷です。左の箪笥の引出しには折本、右の箪笥の引出しには独楽などが入っています。

 

「集第三号」

 

「集第三号」(箱:2.57×3.37cm)には、象牙三折人形、三味線駒、印籠、独楽が収まります。作は小林礫斎で、巾着は實の作です。

 

實の目録

 

實はコレクションを小箱に分け、箱ごとに目録を編んでいました。コレクション自体が膨大な上に、實の几帳面さを反映して目録も細かく、未完のままとなりました。

 

IV.ミニチュアが呼んだミニチュア

 

籠売り

 

たばこと塩の博物館では、平成2年(1990)以来、過去5回にわたってミニチュア関連の展覧会を開催してきました。

開催のたびに寄せられる関連情報によって、同館のミニチュアコレクションはさらに充実しています。

本章では、ごく一部ながら、近年になって様々な方からの寄贈や紹介により同館の収蔵品となったミニチュアを紹介します。

籠売りは高さ(大)5.5cm、高さ(小)5.4cm。目の粗いものから詰まったものまで多様な籠などを編み上げ、竹製の軸に取り付けています。

無銘ながら、手の込んだ丁寧な作りです。

 

銀更紗たばこ入れ

 

銀更紗たばこ入れは、袋が2.76×4.54×1.76cm、筒は胡麻竹、緒締は珊瑚、前金具は硯に墨です。実用のたばこ入れでも希少とされた銀更紗ですが、ミニチュアのこの作品にはちょうど良い大きさの柄の生地が選ばれ、緒締や金具も適したサイズの一級品であつらえています。

 

小さな作品の数々から、収集に注いだ二人の中田の熱意が伝わる展覧会です。

入館料は、大人・大学生300円、小・中・高校生と満65歳以上の方は100円です。

開館時間や休館日が変更になる場合もあるため、最新情報は公式Xかお電話でご確認ください。

 

よくある質問

Q. 新収蔵ミニチュア展の会期はいつまでですか?

A. 2026年9月26日(土)から12月20日(日)までです。

Q. 入館料はいくらですか?

A. 大人・大学生は300円、小・中・高校生と満65歳以上の方は100円です。

Q. 開館時間と休館日を教えてください。

A. 開館時間は午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)です。休館日は月曜日(ただし10月12日、11月23日は開館)と、10月13日(火)、11月24日(火)です。やむをえず変更する場合があります。

Q. 会場はどこですか?

A. たばこと塩の博物館の2階特別展示室です。東京都墨田区横川1-16-3にあり、とうきょうスカイツリー駅から徒歩10分です。

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