洋画作品歴代 No.1 のオープニングを記録し驚異的なスタートを切った、ディズニー&ピクサー最新作『トイ・ストーリー5』
公開11日間で興行収入50億円を突破し、ディズニー史上最速の記録を樹立した後もその勢いは止まらず、8月5日、興行収入100億円を突破しました。
このヒットを機に、「トイ・ストーリー」が歩んできた30年の歴史と、アニメーション映画にもたらした変革を振り返ります。
『トイ・ストーリー5』ディズニー&ピクサーの技術革新とコラボレーションでたどる30年

2026年8月5日、興行収入100億円を突破した、ディズニー&ピクサー最新作『トイ・ストーリー5』
このヒットを機に改めて振り返りたいのが、「トイ・ストーリー」が歩んできた30年の歴史と、アニメーション映画にもたらした変革です。
1995年に世界初の長編フルCGアニメーション映画として全米で劇場公開された第1作は、革新的な技術と「ウッディ」や「バズ・ライトイヤー」という愛すべきキャラクターを中心に据えたストーリーテリングにより、映画制作の可能性を「無限の彼方へ」と大きく広げました。
その背景にあるのは、技術を物語とキャラクターにそそぐ揺るぎない信念と、ディズニーとピクサー・アニメーション・スタジオとが長年にわたって重ねてきた試行錯誤とコラボレーションの歴史があります。
ピクサーの原点――技術革新とディズニーとの出会い
ピクサーの歴史は1979年、エド・キャットムル氏がルーカスフィルムのコンピューター部門のトップに迎えられたことから始まります。
この部門に与えられた使命は、映画の新しいデジタルな未来を描くこと。当時はまだ存在すらしていなかった、デジタル音声やコンピューターグラフィックス(CG)といったツールの開発に情熱を注いでいました。
1980年代半ばになると、アニメーションチームがCGを使ってキャラクターに命を吹き込み、ユーモアや感情を表現するオリジナルの短編アニメづくりに乗り出します。
1984年にはアニメーターのジョン・ラセター氏が正式に加入。
制作中だった短編『アンドレとウォーリーB.の冒険(The Adventures of André & Wally B.)』の一部が、世界中の技術者やアーティストが集まる世界最大級の画像技術の国際会議「SIGGRAPH」で上映されました。
しなやかに動くキャラクターや丁寧な質感表現、生き生きとした躍動感を取り入れた本作は、「最新技術の中心には、常に魅力的なキャラクターと物語がある」という、その後のピクサーの原点となるストーリーテリングの方向性を早くから示していました。
ディズニーとのコラボレーションのはじまり
1986年、Appleの共同創業者であり、後にディズニー・レジェンド(功労者)にも選ばれるスティーブ・ジョブズ氏が、同じくディズニー・レジェンドのジョージ・ルーカス氏からこのコンピューター部門を買い取り、独立した会社としてピクサーを設立。
同年、ピクサーとディズニーは、それまでの手描きアニメーションの作り方を根底から変えることになる制作システム「CAPS(キャップス)」の共同開発をスタートさせます。
この年、短編映画『ルクソーJr.(Luxo Jr.)』が公開されました。
ジョン・ラセター氏の正式な監督デビュー作となった本作は、ピクサーの「ものづくりへのこだわり」を決定づける一作となり、現在もおなじみの電気スタンドのロゴ(ランプロゴ)のモチーフとしても知られています。
シンプルなデザインのランプが表情豊かに動く姿を通して、長年ディズニーが大切にしてきた「キャラクターの個性や感情の表現」がCGでも可能であることを実証し、ピクサーが目指すべき道を明確に示しました。
1980年代後半から1990年代初頭にかけて、ピクサーは技術と物語の双方をさらに磨き上げていきます。
『レッズ・ドリーム(Red’s Dream)』、CG短編映画として史上初めてアカデミー賞を受賞した『ティン・トイ(Tin Toy)』、そして『ニック・ナック(Knick Knack)』といった作品群は、「技術の進化と感動的なストーリーは、共に高め合える」という確信をさらに強いものにしました。
この期間にピクサーはアンドリュー・スタントン氏やピート・ドクター氏といった才能あふれるクリエイターたちを迎え入れ、2人は経験を積みながら大きな作品で活躍するためのスキルを育んでいきました。
そして1991年、ディズニーとピクサーは長編CGアニメーション映画の製作・配給に関する契約を締結したことを発表。
こうして間もなくピクサーは、後に『トイ・ストーリー』となる前例のない巨大な挑戦に動き出したのです。
『トイ・ストーリー』が切り拓いた、アニメーションの新時代

1995年『トイ・ストーリー』プレミア上映会
1995年11月22日に公開された『トイ・ストーリー』は、初登場第1位を記録。
世界興行収入は5億ドルを超え、ピクサーはアニメーション界における新たな存在としての地位を確立しました。
画期的な技術革新とクリエイティブ面での革新がもたらした成果は、後にアカデミー賞特別業績賞によって称えられました。
現在、ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるピート・ドクター氏は、
私たちが早い段階から理解していたのは、この映画の成功は、物語とキャラクターの魅力にかかっているということでした。
それがなければ、たとえ世界初の長編フルCGアニメーション映画であっても、単なる目新しい仕掛けという評価に終わっていたでしょう。
と語っています。
長年のパートナーシップを経て、ディズニーの一員へ
『トイ・ストーリー』の成功後も、ディズニーとピクサーは、アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した『ファインディング・ニモ』(2003年)や『Mr.インクレディブル』(2004年)をはじめとする作品を共同で創出。
2006年、ディズニーはピクサー・アニメーション・スタジオの買収を発表し、10年以上にわたって築いてきた両社のクリエイティブ・パートナーシップは、新たな段階へと進みました。
観客とともに成長する『トイ・ストーリー』シリーズ

アンドリュー・スタントン氏が語っているように、おもちゃは“普遍的な存在”です。
この普遍性こそが、観客が人生の節目を重ねながら、「トイ・ストーリー」シリーズとともに成長できる理由の一つです。
シリーズが歩んだ30年間は、観客一人ひとりが歩んできた30年間でもあります。
第1作を子どもの頃に観た世代が今では親となり、自分の子どもとともに、「ウッディ」や「バズ・ライトイヤー」たちの新たな冒険を劇場で体験しています。
その歩みは、この夏も続きます。
日本では2026年7月3日より劇場公開中の『トイ・ストーリー5』には「ウッディ」「バズ・ライトイヤー」「ジェシー」をはじめとするおなじみの仲間たちが、新たな冒険のためにスクリーンへ帰ってきました。
今回、おもちゃたちを待ち受けるのは、遊びの時間を脅かす新たな存在――「リリーパッド」という名のスマートタブレット。
時代とともに作中に登場するおもちゃも進化しています。
今もなお紡がれ続ける『トイ・ストーリー』の物語
2025年、日本でも『トイ・ストーリー』全米公開30周年を祝し、第1作の全国劇場上映を実施。
それは、一つの物語がスタジオの歴史を築き、成長を支えてきたことを改めて感じさせるものとなりました。
『トイ・ストーリー』は単なるピクサー初の長編作品ではありません。
コンピューターアニメーション黎明期の挑戦、ディズニーとの長年にわたるクリエイティブ・パートナーシップ、そして、優れたストーリーテリングと卓越したクリエイティビティは、テクノロジー革新と歩調を合わせながら進化し続けられるという信念が結実した作品です。
その精神は、『トイ・ストーリー5』にも受け継がれています。
現在、その物語は、劇場だけでなく、ディズニープラス、グッズ、イベントなど多様な接点を通じて新たな世代へと届けられており、世界中のファンに笑顔やかけがえのない思い出を生み出し続けています。
技術と物語、そして人々のコラボレーションから生まれた『トイ・ストーリー』の物語は、これからも新たな世代と出会いながら、その物語を紡ぎ続けていきます。
世界初の長編フルCGアニメーションは、いかにして映画史を変えたのかを、ディズニー&ピクサーの技術革新とコラボレーションでたどる30年。
「トイ・ストーリー」が歩んできた30年の歴史と、アニメーション映画にもたらした変革を振り返りました。
Ⓒ 2026 Disney/Pixar
※本文中に記載されている映画の公開年は、すべて全米における公開年です








