記事ポイント
- 不動産鑑定士136名のアンケートによる三友地価予測指数(2026年3月調査)を発表
- 東京圏商業地は天井接近の兆候、大阪・名古屋圏は大幅上昇で地域格差が鮮明
- 物流クライシス・インバウンド急増・タワマン高騰など市場変化の全体像を網羅
不動産鑑定士136名のアンケートをもとに、三友システムアプレイザルが「三友地価予測指数(2026年3月調査)」を発表しています。
商業地・住宅地ともに三大都市圏の動向が明らかになっており、東京圏の地価が天井に達しつつある一方、大阪圏・名古屋圏では上昇傾向が強まっています。
三友地価予測指数(2026年3月調査)

- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2025年4月1日〜4月30日
- 調査対象:当社と提携する全国の不動産鑑定士136名(東京圏32名・大阪圏28名・名古屋圏11名・その他地方圏65名)
三友地価予測指数は、地価動向を上昇(100)〜下落(0)の5段階で指数化したもので、50ポイントが強気・弱気の分かれ目となります。
毎年3月と9月に発表されており、商業地・住宅地ともに高度利用地を前提とした地価の先行指標として位置づけられています。
商業地の動向
商業地指数の「現在」は東京圏が79.7、大阪圏が83.1、名古屋圏が77.3となっています。
前回比では、東京圏が83.4から下落している一方、大阪圏は78.8から上昇、名古屋圏は66.0から大幅に上昇しており、都市間の格差が鮮明です。
東京のオフィス市場では、業績好調を背景に企業の拠点統合・増床の動きが目立ちます。
2025年には2024年の倍以上のAクラスビルが供給されましたが、空室率は著しく改善し、賃料も上昇傾向が続いています。
建築費高騰により再開発自体は鈍化しているため、オフィス市場では当面の好況が続く見通しです。
物流市場と2024年問題
物流市場では、トラックドライバーへの残業規制(いわゆる2024年問題)の影響で、拠点間の長距離輸送が大きな打撃を受けています。
このままの状態が続くと2030年には3割の荷物が運べなくなるという物流クライシスのリスクが指摘されています。
民間では自動運転トラックなどDXによる省人化が進んでおり、国も物流効率化法によって荷主側へのCLO設置義務化などの対策を進めています。
住宅地とインバウンドの影響
住宅地指数の「現在」は東京圏が79.8、大阪圏が77.7、名古屋圏が75.0です。
東京圏の上昇幅が縮小している背景には、都心部でタワマンの販売価格が2億円を突破し、売れ行きが鈍化していることがあります。
一方、2025年の訪日外客数は4,200万人と、過去最高を記録した2024年の3,700万人を上回り、ハイエンド観光を体験した海外富裕層が日本での一時居住を希望するケースが増えています。
この流れを受け、ホテルコンドやブランデッドレジデンスの増加が見込まれます。
また、相続税改正の影響で小口化商品を活用した節税が難しくなるため、小口化業者による賃貸マンション供給は減少するとみられています。
三友地価予測指数(2026年3月調査)は、地域ごとの不動産市況の違いをデータで把握できる貴重な指標です。
東京・大阪・名古屋の三大都市圏だけでなく、地方都市のまちかど観測も収録されており、国内不動産市場の全体像を確認できます。
物流・オフィス・住宅・インバウンドと多角的な視点から市場変化を読み解ける内容で、不動産に関わるすべての方に役立つ調査レポートです。
三友システムアプレイザル「三友地価予測指数(2026年3月調査)」の紹介でした。
よくある質問
Q. 三友地価予測指数はどのような調査をもとにしていますか?
A. 三友システムアプレイザルと提携する全国の不動産鑑定士136名を対象としたインターネット調査をもとに作成されています。地価動向の見方を上昇から下落まで5段階で指数化しており、毎年3月と9月に発表されています。
Q. 今回の調査で東京圏の地価はどのような状況ですか?
A. 商業地・住宅地ともに指数が前回から下落しており、東京圏の地価は既に天井に達している可能性が指摘されています。都心部ではタワマンが2億円を超え、売れ行きが鈍化しているのも一因となっています。
Q. 大阪圏・名古屋圏の地価動向はどうですか?
A. 大阪圏は商業地指数が78.8から83.1へ上昇、名古屋圏は66.0から77.3へ大幅に上昇しており、東京圏が調整局面に入る中でも両圏域は上昇傾向を強めています。