記事ポイント
- 芝浦工業大学・越阪部奈緒美教授が2026年3月10日に「第30回 安藤百福賞」優秀賞を受賞
- 高カカオチョコレートのメタボリックシンドロームリスク低減効果を世界初で実証し、EU・FDA機能性表示取得にも貢献
- 食品の味や香りと機能性を結びつける新学問「感覚栄養学」を創生した独創的業績が高く評価
芝浦工業大学のシステム理工学部・越阪部奈緒美教授が、食科学分野の権威ある賞「第30回 安藤百福賞」優秀賞を2026年3月10日に受賞しました。
受賞の核心は、食品の官能特性(味・香り)と生体機能のつながりを科学する「感覚栄養学」という新領域の創生にあります。
第30回 安藤百福賞 優秀賞

- 賞名:第30回 安藤百福賞 優秀賞
- 受賞者:越阪部 奈緒美(芝浦工業大学 システム理工学部 教授)
- 受賞テーマ:感覚栄養学~食の官能特性と生体機能のクロストーク~
- 授賞日:2026年3月10日
安藤百福賞は、即席麺の発明者であり日清食品創業者・安藤百福氏の功績を記念した賞です。
安藤スポーツ・食文化振興財団が主宰する「食創会」が毎年表彰を実施し、食科学の振興や独創的な食品開発に貢献する研究・開発を顕彰します。
授賞式では食創会会長を務める小泉純一郎元内閣総理大臣から賞と副賞が贈呈されます。
世界初・カカオポリフェノールとメタボリックシンドローム研究
越阪部教授の受賞テーマは「感覚栄養学~食の官能特性と生体機能のクロストーク~」です。
カカオに豊富に含まれるポリフェノール(PP)の摂取がメタボリックシンドロームリスクの低減に有効であることを、世界に先駆けて示した業績が中心的な評価対象となっています。
この研究成果は高カカオチョコレートとして実用化され、国内外の市場拡大に寄与するとともに、EUおよびアメリカ食品医薬品局(FDA)における機能性表示の取得にも結びついています。
さらに、ポリフェノールが極めて吸収性の低い化合物であることを明らかにし、食品成分による生体調節のメカニズムが医薬品とは本質的に異なることを見出しています。
新学問「感覚栄養学」の創生
越阪部教授は食品の官能特性(味・香りなど感覚で捉えられる特性)と機能性の関連性を科学的に解明する「感覚栄養学」という新たな学問分野を創生しています。
食を「おいしさ」と「体への効果」の両面から統合的に研究するアプローチは、食品科学の新しい地平を切り拓くものです。
芝浦工業大学は理工系大学として日本屈指のグローバル教育と産学連携研究を特長とし、2027年の創立100周年に向けてアジア工科系大学トップ10を目指しています。
感覚栄養学という新分野の創生が、食と健康の科学をより深く結びつける力を持っています。
高カカオチョコレートを通じた実用化と国際的な機能性表示取得は、研究が社会に直結する成果の好例となっています。
食品の官能特性と生体機能のクロストークを探求するこの研究領域は、今後の食品開発と栄養科学に広い影響をもたらします。
越阪部奈緒美教授「第30回 安藤百福賞 優秀賞」受賞の紹介でした。
よくある質問
Q. 安藤百福賞とはどのような賞ですか?
A. 即席麺の発明者・安藤百福氏の功績を記念した賞で、安藤スポーツ・食文化振興財団が主宰する「食創会」が毎年表彰を実施しています。食科学の振興や独創的な食品開発・研究に貢献した研究者を顕彰するものです。
Q. 越阪部教授の「感覚栄養学」とはどのような学問ですか?
A. 食品の味や香りといった官能特性(感覚で捉えられる特性)と、身体への機能性・生体調節のメカニズムとの関連を科学的に解明する新学問分野です。越阪部教授が創生したこの領域は、高カカオチョコレートのメタボリックシンドローム予防効果の実証など、具体的な食品開発にも結びついています。