記事ポイント
- 企業規模・立場別で浮き彫りになるサステナビリティ意識の「同床異夢」
- 中企業の経営層と担当者の意識差が特に顕著
- 人事評価へのサステナビリティ項目導入は約8割が賛同
東急エージェンシーのSDGsプランニング・ユニット「POZI」が、ビジネスパーソンのサステナビリティ意識ギャップ調査を発表しています。
企業規模別×立場別に6グループを対象とした本調査では、推進担当者・経営層・一般社員の間に大きな認識の隔たりがあることが明らかになっています。
東急エージェンシー「POZI ビジネスパーソンのサステナビリティ意識ギャップ調査」
- 調査主体:東急エージェンシー SDGsプランニング・ユニット「POZI」
- 対象:従業員1000人以上の大企業、100人以上の中企業のビジネスパーソン
- 分類:「推進担当者」「役員・経営層」「その他の一般従業員」×企業規模の計6グループ
2030年のSDGs目標年が迫るなか、企業におけるサステナビリティ活動の現状と今後の障壁を探る目的で本調査は実施されています。
従来の調査では立場別に個別で行われるケースが多く、経営層を含めた横断的な認識差の把握が十分ではありません。
「POZI」は今回、企業規模と企業内の立場を掛け合わせた6グループを設定し、詳細な意識差の分析に取り組んでいます。
企業規模・立場別に見える5つの発見
調査からは5つのFindingsが報告されています。
「企業のサステナビリティ対応に関する考え方」では、大企業の推進担当者と経営層の意識差が比較的小さいのに対し、中企業では経営層が担当者の意識に追いついていない傾向が見られます。
中企業の一般社員における意識の低さも顕著です。
「対応の効果・意義」については、企業規模や立場ごとに認識する効果が大きく異なっています。
大企業の担当者は「イメージや好感度」「リスクの軽減・回避」「金融市場からの評価」を重視する一方、中企業の担当者は「既存顧客との関係強化」「従業員エンゲージメント」「業務効率化」に高い意識を持っています。
推進のハードルと推進部門への評価
「推進におけるハードル」では、担当者が企業規模を問わず「経営での優先順位」「予算不足」「中間管理職の認識不足」「担当者が現場の事情を知らない」といった項目を挙げています。
一方で「成果が不明瞭」「トップのリーダーシップ」「経営層の認識不足」には企業規模による差があり、中企業の担当者から経営層への不満がうかがえます。
「推進部門の仕事に対する考え方」では、「会社の成長にとっての必要性」や「今後ますます重要視される仕事」であるかどうかについて、中企業での立場間の意識差が大きくなっています。
「何をしているのか社内からわかりにくい」と感じる人は担当者でも約8割に達し、「自分ではやりたくない仕事だ」にはすべての立場でほぼ過半数が同意しています。
人事評価への導入と社内浸透の展望
「人事評価へのサステナビリティ項目導入」については、経営層・管理職・一般従業員のいずれに対しても、概ね8割が「行うべきだと思う」と回答しています。
「一般従業員への導入」ではやや否定的な傾向が見られるものの、過半数が賛同しており、導入に対する心理的な土壌が形成されつつあります。
POZIのサステナビリティ・プランナーは、今回の調査結果について「企業規模や立場によってサステナビリティ活動の現状認識や推進の障壁に大きな隔たりがあり、”同床異夢”の状態に陥っている可能性がある」と分析しています。
コーポレートブランディングの重要な要素であるサステナビリティへの考え方が社内で統一されていないことは、ブランド全体像を曖昧にしかねない問題です。
企業規模・立場を横断した意識ギャップの実態が、具体的なデータで把握できる調査となっています。
2030年のSDGs目標年に向けて、社内の認識統一や部門間の合意形成に活用できる内容です。
詳細な調査結果をまとめた「調査結果要録」も提供されており、自社のサステナビリティ推進体制の見直しに役立てられます。
東急エージェンシー「POZI ビジネスパーソンのサステナビリティ意識ギャップ調査」の紹介でした。
よくある質問
Q. 今回の調査ではどのようなグループが対象になっていますか?
A. 従業員1000人以上の大企業と100人以上の中企業を対象に、それぞれ「推進担当者」「役員・経営層」「その他の一般従業員」の計6グループで調査が行われています。
Q. 人事評価へのサステナビリティ項目導入についてはどのような結果が出ていますか?
A. 経営層・管理職・一般従業員のいずれに対しても、概ね8割が「行うべきだと思う」と回答しています。
一般従業員への導入ではやや否定傾向が見られますが、過半数が賛同しています。