記事ポイント
- 企業規模別×立場別の6グループでサステナビリティ意識を調査
- 中企業では経営層と推進担当者の意識差が顕著
- 人事評価へのサステナビリティ項目導入は概ね8割が賛同
東急エージェンシーのSDGsプランニング・ユニット「POZI」が、ビジネスパーソンのサステナビリティ意識ギャップ調査を実施しています。
2030年に迫るSDGs目標年に向け、企業規模別・立場別での意識差や推進の障壁を探る調査です。
企業内の「同床異夢」ともいえる現状が浮き彫りになっています。
東急エージェンシー「ビジネスパーソンのサステナビリティ意識ギャップ調査」

- 調査実施:東急エージェンシー SDGsプランニング・ユニット「POZI」
- 調査対象:日本国内20〜69歳・従業員100人以上の企業に勤めるビジネスパーソン618サンプル(6グループ各103名)
- 調査期間:2026年2月10日〜13日
- 調査方法:インターネット調査
東急エージェンシーのSDGsプランニング・ユニット「POZI」は、企業におけるサステナビリティ活動の現状と今後の障壁を探るため、ビジネスパーソンを対象にした意識調査を実施しています。
従業員数で企業規模を「大(1000人以上)」「中(100人以上)」に分け、さらに企業内の立場を「推進担当者」「役員・経営層」「その他の一般従業員」とした計6グループが対象です。
調査の背景と実施概要
サステナビリティの取り組みにおいて、企業内推進担当者とその他社員との認識ギャップがあることは過去の調査でも明らかになっています。
しかし、これまでの調査では立場別に個別で行われたものが多く、経営層を含めた立場間での認識差異については十分に把握されていません。
今回の調査では、企業規模と立場を掛け合わせた6グループを設定し、より詳細な意識差の実態に迫っています。

調査は2026年2月10日〜13日にインターネットで実施され、日本国内の20〜69歳のビジネスパーソン618名が回答しています。
企業規模や立場で異なるサステナビリティへの意識
調査のFindings1では、企業のサステナビリティ対応に関する考え方について、企業規模と立場による意識差が明らかになっています。
大企業では推進担当者と経営層の意識差が比較的少ないのに対し、中企業ではその差が大きく、担当者の意識に経営層が追い付いていない状況がうかがえます。
中企業の一般社員における意識の低さも顕著です。

Findings2では、サステナビリティ対応の効果・意義についても企業規模と立場で大きな違いが見られます。
総じて推進担当者は他の立場よりも多くの効果・意義を認識しており、大企業の担当者は「イメージや好感度」「リスクの軽減・回避」「金融市場からの評価」で特に高い数値を示しています。
一方、中企業の担当者は「既存顧客との関係強化」「従業員エンゲージメント」「業務効率化」で高くなっており、企業規模によって重視するポイントが異なりました。
サステナビリティ推進におけるハードル

Findings3では、推進のハードルとして「経営での優先順位」「予算不足」「中間管理職の認識不足」に加え、「サステナ担当者が現場の事情を知らない」という項目が企業規模を問わず共通して高い数値を示しています。
「成果が不明瞭」「トップのリーダーシップ」「経営層の認識不足」では企業規模による意識差があり、中企業担当者の経営層への不満がうかがえます。
推進部門への理解と人事評価への導入

Findings4では、サステナビリティ推進部門の仕事について「会社の成長にとっての必要性」や「今後ますます重要視される仕事」であるかどうかの認識に、特に中企業で大きな意識差があることがわかっています。
「何をしているのか社内からわかりにくい」という項目では担当者でも約8割が同意しています。
さらに「自分ではやりたくない仕事だ」には、担当者を含むすべての立場でほぼ過半数が同意しており、今後の取り組みにおける課題のひとつです。

Findings5では、人事評価へのサステナビリティ項目導入について、「経営層」「管理職」「一般従業員」のいずれに対しても概ね8割が「行うべきだと思う」と回答しています。
「一般従業員への導入」ではやや否定傾向が高いものの、過半数が賛同しており、人事評価への導入についてはある程度理解・許容される心理的土壌が形成されています。
POZIサステナビリティ・プランナーの所感

POZIのサステナビリティ・プランナーは、今回の調査で企業規模や立場によってサステナビリティ活動への認識に大きな隔たりが存在し、「同床異夢」の状態に陥っている可能性があると指摘しています。
コーポレートブランディングの重要な要素であるサステナビリティへの考え方が企業内で統一されていないことは、ブランディング全体を曖昧にしかねない問題です。
サステナビリティ情報の開示・発信をブランディングに結び付ける動きが目立つ中、企業内のギャップを放置したままでは逆効果になるリスクも考えられます。

POZIでは、社内の意識統一や部門間の合意形成を実現するオリジナルサービス「V-WAYS for SDGs」などを提供しています。
サステナビリティ・リーダーの育成にも対応した内容となっています。
企業規模別×立場別という6グループの比較により、社内の意識差を具体的に把握できる調査です。
推進担当者・経営層・一般社員それぞれの課題が明確になり、効果的な社内浸透策を検討する際の指針となります。
2030年のSDGs目標年に向けて、組織内の認識を揃えるための実践的なデータが揃っています。
東急エージェンシー POZI「ビジネスパーソンのサステナビリティ意識ギャップ調査」の紹介でした。
よくある質問
Q. この調査ではどのようなグループが対象になっていますか?
A. 従業員1000人以上の大企業と100人以上の中企業を対象に、それぞれ「推進担当者」「役員・経営層」「その他の一般従業員」の3つの立場に分けた計6グループ(各103名、合計618名)が調査対象となっています。
Q. 人事評価へのサステナビリティ項目導入について、どのような結果が出ていますか?
A. 「経営層」「管理職」「一般従業員」のいずれに対する導入についても、概ね8割が「行うべきだと思う」と回答しており、ある程度理解・許容される心理的土壌が形成されているという結果が出ています。