明治大学と同大学発ベンチャーのフラクセラ・メディカルは、2026年1月8日、新株予約権を対価とする知的財産権の譲渡契約を締結しました。
大学発ベンチャーの育成を通じて社会貢献に寄与することを目的とした本契約により、明治大学の研究成果が医療機器として実用化される道筋が示されました。
明治大学発ベンチャー「フラクセラ・メディカル」

契約締結日: 2026年1月8日
設立: 2025年10月1日
本社所在地: 東京都文京区
代表取締役: 小野弓絵(CEO/CTO)
事業内容: 研究用機器・医療機器の開発、製造、販売
フラクセラ・メディカルは、明治大学理工学部電気電子生命学科の小野弓絵教授が2025年10月1日付で設立した明治大学発ベンチャーです。
光工学技術による組織血流や酸素消費の可視化を通じて、質の高い医療と「手遅れにしない」選択肢を社会に提供することを目指しています。
今回の契約により、明治大学の知的財産権がフラクセラ・メディカルに譲渡され、新株予約権が対価として設定されました。
学術研究や教育活動の成果を活用して社会貢献に寄与する大学発ベンチャーの育成に資することを目的とした取り組みです。
近赤外光による非侵襲的血流計測技術

近赤外光は皮膚や骨を透過しつつ、体内の赤血球によって特異的に散乱される特性を有しています。
小野教授はこの光学現象を用いることで、従来は可視化が困難であった組織深部の血流を、非侵襲かつ連続的に計測できる技術の研究を進めてきました。
直進性の高い近赤外光を生体内に入射すると、光子は組織中の赤血球によって散乱されます。
血流が速く赤血球の運動が大きいほど、検出される光強度は時間的にランダムに変動します。
この変動特性から、組織血流速度を非侵襲的に計測できる仕組みです。
末梢循環モニタの開発

開発したセンサを用いて前腕の血流変化を計測すると、心拍に同期した血流の脈動や、部位ごとの酸素需要の違いに応じた血流速度分布を可視化できます。
本技術は、糖尿病に伴う血管障害の検出から、運動生理学、徒手療法の効果評価まで、幅広い研究分野での活用可能性を示してきました。
さらに国立循環器病研究センターとの共同研究を通じ、重度循環不全患者における末梢循環障害を早期に捉える医療機器としての実用化プロジェクトへと発展しています。
末梢循環の異常は、既存のバイタルサインでは捉えにくく、現在も医療現場の経験に依存する未解決課題です。
小野弓絵教授のコメント
小野教授は、今回の契約締結について以下のようにコメントしています。
フラクセラ・メディカルは、医療の専門家と工学研究者、そして志ある学生が一体となり、この課題に挑戦しています。
本学の知的財産を基盤に、研究成果を社会実装へとつなぎ、「手遅れにしない医療」を実現する第一歩を踏み出しました。
今後の展開にご期待いただくとともに、幅広い分野の研究者・企業の皆様との連携を心より願っております。
小野弓絵教授の研究について
現在の専門分野: 生体医工学、リハビリテーション科学、基盤脳科学
小野弓絵教授は、電気工学・情報工学・脳神経科学といった幅広い専門領域を背景に、分野横断型の研究開発を進めています。
医療現場が抱える課題やニーズに対し、工学的アプローチで解決策を提示する「生体医工学」の視点から、医療と工学を結ぶ研究に取り組んでいます。
小野教授が指導教員を務める明治大学健康医工学研究室では「安心・安全・健康をつくる医工学」をキーワードに、生体計測・生体信号解析、脳機能イメージングなどの技術を活用しています。
健康維持の支援や医療・福祉分野の質の向上に寄与する研究を展開しています。
明治大学の知的財産を活用した大学発ベンチャーの育成により、研究成果が医療機器として実用化され、医療現場の未解決課題に対する新たな解決策が提供されます。
光工学技術による非侵襲的な血流計測は、早期診断と適切な治療判断を可能にし、患者の予後改善に貢献することが期待されます。
産学連携によるイノベーションの実現は、医療分野における技術革新の新たなモデルとなります。
明治大学発ベンチャー「フラクセラ・メディカル」の紹介でした。
よくある質問
Q. フラクセラ・メディカルはいつ設立されましたか?
2025年10月1日に設立されました。
Q. どのような技術を開発していますか?
近赤外光を用いて組織深部の血流を非侵襲かつ連続的に計測できる技術を開発しています。
Q. どのような分野での活用が期待されていますか?
糖尿病に伴う血管障害の検出、運動生理学、徒手療法の効果評価、重度循環不全患者における末梢循環障害の早期検出などでの活用が期待されています。
Q. 小野弓絵教授の専門分野は何ですか?
生体医工学、リハビリテーション科学、基盤脳科学が専門分野です。
Q. 国立循環器病研究センターとの共同研究の内容は何ですか?
重度循環不全患者における末梢循環障害を早期に捉える医療機器としての実用化プロジェクトを進めています。