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AI活用で収穫量9.4%アップ!グリーン「ウクライナにおけるデータ駆動型農業の実証成果」

投稿日:2026年2月1日 更新日:

AIを活用した農業ソリューションを提供するグリーン。

グリーンは、ウクライナにおけるヒマワリ種子をはじめとする主要作物の生産性回復と、土壌汚染緩和による持続可能な農業の実現を目的としたフィージビリティ・スタディを2025年3月3日より実施しています。

今回は、その中から収穫量の向上に関する検証結果を紹介します。

 

グリーン「ウクライナにおけるデータ駆動型農業の実証成果」

 

ヒマワリ畑に設置されたe-kakashi

 

この調査は、日本の経済産業省による資金拠出のもと、国連工業開発機関(UNIDO)の支援を受け、「日本企業からの技術移転を通じた新事業創造によるウクライナのグリーン産業復興プロジェクト」の一環として進められています。

環境データと衛星画像データを組み合わせたデータ駆動型農業の実証に加え、土壌の健全性に関する取り組みなども進めています。

 

データ駆動型農業の実証

 

今回の実証では、4つのほ場に合計16台のe-kakashi用ゲートウェイを設置して環境データを収集しました。

衛星画像データと組み合わせて、広範囲の状況把握と予測を行うAIを開発しました。

収穫量の最大化に向けて最適な農作業タイミングを提示するこのAIを用いて検証が行われました。

 

ヒマワリ:AIによる枯凋剤散布タイミング最適化で収穫量向上

 

ほ場で収集した環境データに加え、ウクライナ国内約400ほ場の過去の衛星データなどを解析して情報を補完し、枯凋剤(デシカント)散布の最適時期を予測するAIアルゴリズムを開発しました。

AIが提示したタイミングで散布と収穫を行った区画(誘導区)と、農家の従来の判断で散布と収穫を行った区画(慣行区)を比較した結果、リヴィウ州の2ほ場で、最大約9.4%の収穫量向上を確認しました。

 

トウモロコシ:AIによる収穫判断で収穫量向上

 

トウモロコシ畑に設置されたe-kakashiと、イヴァン・フランコ記念リヴィウ国立大学のPatsula准教授

 

AIが提示する最適な収穫タイミングに基づいて収穫した区画(誘導区)と、従来の慣行的な判断で収穫した区画(慣行区)を比較しました。

その結果、誘導区の平均収穫量が15.17t/ha、慣行区は13.33t/haとなり、差分は+1.84t/haでした。

約13.8%の収穫量向上を達成しました。

 

プロジェクトの背景と目的

 

ウクライナはヒマワリ種子、小麦、トウモロコシの世界有数の生産・輸出国であり、特にヒマワリ油の輸出は世界最大を誇ります。

しかしながら、ロシアのウクライナ侵攻により深刻な打撃を受け、農地の占領、農業インフラの破壊、農業労働人口の減少などによる収穫面積の減少を主たる要因として、その生産量は戦前から減少傾向にあります。

また、ウクライナ農地総面積の約4分の1に当たる 1,050 万 ha において、地雷などの爆発物により、重金属による土壌汚染も深刻化しています。

このような状況の下、この調査では、これまでグリーンが国内外で展開してきた IoT センシングによる農業 AI ソリューション「e-kakashi(イーカカシ)」をはじめ、衛星画像解析や高機能バイオ炭の施用といった革新的な技術を統合したデータ駆動型であり、かつ資源循環を目指すアグリビジネスモデルの技術的有効性や経済性を検証することで、ウクライナにおけるヒマワリ種子をはじめとする主要作物の生産回復と持続可能な農業の実現を目指します。

 

持続可能な農業と復興に向けて

 

このフィージビリティ・スタディは単年度の結果ではあるものの、IoTやAIを活用したデータ駆動型農業が、ウクライナ農業の生産性向上に貢献できる可能性を示しました。

今後は、この結果を踏まえ、複数年、複数地域での環境データの蓄積を進め、AIモデルの精度をさらに高度化し、他の作物への展開を目指します。

グリーンは、先進的なデジタル技術を通じて、農業の高度化と戦後復興を支える持続可能な産業基盤づくりに引き続き取り組んでいきます。

 

AIやIoTといった先進技術でウクライナの農業復興を支援するグリーンの取り組み。

グリーン「ウクライナにおけるデータ駆動型農業の実証成果」の紹介でした。

 

グリーン「ウクライナにおけるデータ駆動型農業の実証成果」のよくある質問

 

Q. このプロジェクトの目的は何ですか?

 

A. ウクライナにおける主要作物の生産性回復と、土壌汚染緩和による持続可能な農業の実現を目的としています。

 

Q. どのような成果がありましたか?

 

A. ヒマワリで最大9.4%、トウモロコシで平均13.8%の増収を確認しました。

 

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