東京ディズニーリゾートの名曲が、浅倉大介さんの手で新たなオルゴールサウンドに!
『オルゴールで聴く 東京ディズニーリゾート®』が2025年11月19日(水)に発売されます。
発売を前に、今回の音源制作を手がけた浅倉大介さんにインタビュー。
音色のこだわりと“夢の記憶”をめぐる制作秘話をお届けします。
浅倉大介が語る『オルゴールで聴く 東京ディズニーリゾート』——アレンジと音源制作に込めた想い

東京ディズニーリゾートの名曲を、特別なオルゴールアレンジで楽しめるミュージック・アルバム『オルゴールで聴く 東京ディズニーリゾート』が、2025年11月19日(水)にリリース。
音源制作を手がけたのは、音楽プロデューサー・浅倉大介さん。
長年ディズニーを愛し、自らもシンセサイザーの第一人者として活躍する浅倉大介さんが、東京ディズニーリゾートの音楽を“オルゴールの世界”で新たに描き出しました。
「ジャンボリミッキー!」や「リビング・イン・カラー」などの人気曲から、「ミート・ザ・ワールド」「ナイトフォール・グロウ」といった名曲まで。
音とともに記憶がよみがえる全12曲は、ぜんまいを巻く音から始まり、箱を閉じる音で幕を下ろす一枚の物語のような構成に。
Dtimesでは、浅倉大介さんに本作への思いやアレンジのこだわりを伺いました。
浅倉大介(あさくら・だいすけ)
音楽プロデューサー、作曲家、編曲家。
貴水博之さんとのユニットaccessのキーボーディスト。
⼤のディズニー好きとして知られており、ミュージシャンならではの観点からディズニー作品の魅力を各メディアで紹介している。
ディズニーの世界に“存在するかもしれない”オルゴールをイメージして
ーーー 東京ディズニーリゾートの楽曲には、きっとたくさんの思い出があると思います。
今回はディズニー作品を“オルゴール”という形でアレンジされましたが、どんなテーマやビジョンを持って臨まれたのでしょうか?
浅倉大介さん:
最初に「オルゴールアルバムで何かアレンジを」と声をかけていただいたとき、すぐに思い出したのが、30年以上前になりますが、自分の2枚目のソロアルバムの中の「1000年の誓い」という曲です。
イントロでねじを巻いてオルゴールがメロディーを奏で、途中からシンセサイザーやボーカルがそのメロディーを展開していくという構成でした。
実はそのときのオルゴールの音は、本物のオルゴールを分解してサンプリングした音で再構築していたんです。
だから今回も「単なるオルゴール音源にはしたくない」と強く思いました。
せっかくディズニーの名曲を扱うのだから、もし“ディズニーの世界にあるオルゴール”ならどう鳴るだろう、と考えたんです。
複数のオルゴールがアンサンブルして一つの楽曲を奏でる――現実にはあり得ないけれど、ファンタジーの世界なら成立する。
その切り口から、このアルバムのイメージが広がっていきました。
ーーー なるほど…!現実にはできないことを“ディズニーの世界観ならでは”として実現する。
オルゴールのアンサンブルという発想がとても印象的です。
「ジャンボリミッキー!」がオルゴールに——挑戦の裏側

インタビュー当日の浅倉大介さん
ーーー では、実際にアレンジされる中で「これは特に印象的だった」「オルゴール化のしがいがあった」と感じた楽曲はありますか?
浅倉大介さん:
一番ハードルが高かったのは「ジャンボリミッキー!」ですね。
オルゴールといえば静かで癒やし系、眠りを誘うような音楽のイメージがあると思うんですが、「ジャンボリミッキー!」はその真逆。
子どもから大人まで思わず体を動かして踊ってしまう曲じゃないですか。
そこをどうオルゴール化するか、すごく悩みました。
ーーー 「ジャンボリミッキー!」をオルゴールで聴けるなんて、思ってもみませんでした!
浅倉大介さん:
ただ単に優しい音色で奏でるだけでは、この曲の本質を失ってしまうと思ったんです。
そこで考えたのが「オルゴールならではのパーカッションを作る」という発想でした。
例えば、フタの開閉音やぜんまいを巻く音。
それをシェイカーや打楽器のように組み込んで、リズムを感じさせる仕掛けを作りました。
そうしたら不思議と“オルゴール版ジャンボリミッキー”としてまとまったんです。
ーーー あの「パタン、パタン」という音、すごく斬新でした!
昔の白黒アニメーション時代のミッキーマウスの短編を観ているようなユーモラスさもあって、ディズニーらしさがありました。
浅倉大介さん:
あの時代の作品って、身近な物を叩いたり擦ったりした効果音でコミカルな演出をしていたと思います。
そんな手法をオルゴールの世界でも活用できたのは自分でも新鮮でした。
ーーー 逆に、すごく親和性が高いと感じた楽曲はどれでしょう?
浅倉大介さん:
東京ディズニーシー®のファンタジースプリングス関連の曲ですね。
「ジャーニー・トゥ・ファンタジースプリングス」や「ファンタジースプリングス組曲」は、水のきらめきやしずくのイメージがオルゴールの響きとつながって、とても世界観を作りやすかったです。
強弱のないオルゴールでどう表現する?音作りの工夫
ーーー アレンジ全般についてもお伺いします。オルゴールという制約の中で、どんな工夫をされたのでしょうか?
浅倉大介さん:
オルゴールって音量に強弱がつけられません。
鳴った音は止められないし、ピアノのペダルを踏んで音の長さを調節するような器用なこともできません。
なので、音がぶつかり合わないようにするために、複数種類のオルゴールを使い分けました。
低音向きのもの、短い音が得意なものを組み合わせて、一つの楽曲を構成しているんです。
現実ではできない、すごく贅沢な使い方ですよね。
そして何より大事にしたのは、原曲の魅力を損なわないこと。
メロディー以外の“掛け声”や“コーラスライン”も、できるだけオルゴールに置き換えて表現しました。
いつもディズニー音楽を聴いているみなさんに、「あれが入っていない!」と言われたくなかったんです(笑)。
ーーー まさにディズニーファンとしてのこだわりですね!
浅倉大介さん:
そうなんです。99%はディズニーファンとしての視点でできています。
1%だけ「浅倉大介」としての音へのこだわりを詰め込んだ感じですね。
例えば音の余韻や響きは、オルゴールの限界を超えてデジタルで補いました。
そこはやっぱり自分の経験を活かせた部分かなと思います。
ぜんまいを巻く音から“物語”が始まるアルバム構成

インタビュー当日の浅倉大介さん
ーーー アルバム全体の構成についても印象的でした。
最初はぜんまいを巻く音から始まり、最後の「ミート・ザ・ワールド」ではテンポが徐々に落ちて、箱を閉じる音で終わる。まるで一日の物語のようでした。
浅倉大介さん:
パークに入って一日を楽しみ、最後に出口から帰るーーその流れをアルバムで表現したかったんです。
ラストにはどうしても「ミート・ザ・ワールド」を置きたかった。
シャーマン兄弟の名曲ですし、リスペクトを込めて。泣きそうになりながらアレンジしましたよ。
ーーー 最後の“オルゴールが止まっていく”演出は本当に驚きました。オルゴールという楽器の性質を、まるごとアルバムに取り込んだようで。
浅倉大介さん:
オルゴールが止まる瞬間を曲として収録するのは珍しいと思います。
でも、それをやることで一つの物語になる気がしたんです。
“夢と音の記憶”を紡ぐオルゴール
ーーー 最後に、このアルバムをどんなふうに聴いてほしいと思われますか?
浅倉大介さん:
場所やシチュエーションは問わず、聴きたいときに聴いてもらえれば嬉しいです。
パークでの楽しい記憶を思い出しながら眠りにつくのもいいですし、集中したいときのBGMとしても役立つかもしれません。
自分でも、オルゴールの響きに耳を傾けているうちに、思わず聴き入ってしまうんですよ(笑)。
ーーー 本当に、音の世界に引き込まれるような心地よさでした。
本日は素敵なお話をありがとうございました。
「オルゴールで聴く 東京ディズニーリゾート」商品情報

タイトル(日本語) :オルゴールで聴く 東京ディズニーリゾート®
タイトル(英語) :Tokyo Disney Resort® Music Box Collection
アーティスト名 :東京ディズニーリゾート
CD一般発売/配信日 :2025年11月19日(水)(予定)
仕様 :1CD(通常仕様)
CD価格 :税込3,300円
ダウンロード価格 :税込1,935円 *ダウンロード価格は各ストアに準じます
品番 :UWCD-6074
東京ディズニーリゾートの名曲を、特別なオルゴールアレンジでお楽しみいただけるミュージック・アルバム。
大人気のパーク楽曲が、浅倉大介の音源制作により、色とりどりにきらめく、これまでにない癒しのオルゴールサウンドに生まれ変わります。
収録楽曲
1. ハッピー・ソング(「ベイマックスのハッピーライド」より/オルゴール・バージョン)
2. ジャンボリミッキー!(オルゴール・バージョン)
3. イッツ・ベリー・ミニー!(オルゴール・バージョン)
4. マイ・フレンド・ダッフィー(オルゴール・バージョン)
5. ジャーニー・トゥ・ファンタジースプリングス(オルゴール・バージョン)
6. ファンタジースプリングス組曲(オルゴール・バージョン)
7. リビング・イン・カラー(オルゴール・バージョン)
8. イッツ・ユア・ソング(「ミッキーのマジカルミュージックワールド」より/オルゴール・バージョン)
9. Reach for the Stars(オルゴール・バージョン)
10. エヴリ・ウィッシュ・ディザーヴ・ア・ドリーム(「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~」より/オルゴール・バージョン)
11. ナイトフォール・グロウ(オルゴール・バージョン)
12. ミート・ザ・ワールド(オルゴール・バージョン)
取材・編集・撮影:あずさゆみ(Dtimes.jp)
WebメディアDtimes.jpディレクター/フリージャーナリスト
かわいいもの、おいしいものが大好き。フリーライター、フォトグラファーとしても活動中。
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