記事ポイント
- 1学期は50以上の講座に約8割の生徒が申込
- 保護者参加講座は1学期29から2学期45に拡大
- 大学・企業・卒業生が講師を務める体験講座
千葉県市川市の和洋国府台女子中学校高等学校(和洋学園)が、2026年度(令和8年度)から選択制体験プログラム「ツナグヒ」を開始しました。
土曜日の授業を2026年4月から平日に移し、生徒が興味のある講座を自分で選んで参加する日に変えています。
1学期だけで50以上の講座が開かれ、約8割の生徒が申し込みました。
和洋国府台女子中学校高等学校 選択制体験プログラム「ツナグヒ」

- 実施校:和洋国府台女子中学校高等学校(千葉県市川市・和洋学園)
- 開始時期:2026年4月(2026年度・令和8年度)
- 1学期の開講数と申込:50以上の講座、約8割の生徒が申し込み
- 保護者が参加できる講座:1学期29講座、2学期45講座
和洋国府台女子中学校高等学校(宮崎康校長)は、AIが知識の価値を塗り替える時代に学校で何を学ぶべきかという問いの答えを「体験」に求め、選択制体験プログラム「ツナグヒ」を始めました。
原則として登校が必須ではない土曜日にもかかわらず、1学期に50以上の講座が開かれ、約8割の生徒が申し込みました。
2学期からは親子で受講できる講座が広がり、保護者向け講座も開講しています。
生徒と家族、大学、企業、地域が出会う土曜日の学校を、同校は「学びのハブ」と位置づけています。
人と協働する「対人スキル」や、自ら問いを立てる「課題設定能力」は、教室で知識を学ぶだけでは育ちにくいと同校は考えています。
そこで土曜日を、生徒自身が使い方を決める日に変えました。
和洋女子大学の教員による講座では、身近なおやつ「フルーチェ」が固まる仕組みを、実験と試食を交えて解説しました。
和洋女子大学は、同校と同じ敷地にある大学です。

「発酵のひみつ 味噌づくりで体感しよう」では、保護者と一緒に味噌づくりを体験する姿も見られました。
講座の担い手は、和洋女子大学の教員、各界で活躍するプロの社会人、仕事や進路を語る卒業生と多彩です。

社会で活躍する広報・PRパーソンから、生徒たちが「伝え方」の方法論を学びました。
企業を訪ねる「フィールドラーニング」では、夏休みにリコーとコクヨを訪問しました。
2学期からは、生徒のアイデアから生まれた講座も始まりました。
2026年11月の「天文学者の仕事場 ― 星の研究者って何してる?」では、国立天文台の望遠鏡見学を交えて研究者の仕事に迫ります。
2027年1月の「聞こえない世界を知れば、社会の見え方が変わる」では、ろう者の世界を知り、手話によるコミュニケーションに挑戦します。
生徒が小学生向けの実験講座を企画・運営する「サイエンスチーム」も動き出しました。
市川市内の困りごとからボランティア活動を立案する「和洋お助けボランティア部を立ち上げ隊」も始まっています。
東京証券取引所や公認会計士が関わり、生徒たちが起業して事業の運営に挑む「Social Startup Program」も展開しています。
社会と関わった経験は一人ひとりの「キャリア資産」になり、「自分の幸福は自分で決める」という姿勢を育んで女性の自立を支える力になると、和洋学園は考えています。

同校がもう一つ重視するのが家庭で、土曜日を「親子のツナグヒ」へ広げました。
保護者が好奇心を持って学ぶ姿は子どもの学びを後押しするため、その学びを支えることも未来の学校の役割だとしています。
保護者が参加できる講座は、1学期の29講座から2学期は45講座に増えました。
和洋女子大学による「女性の健康を科学する」シリーズや、金融講座「今日から始める!『リッチな私』になれるお金の育て方」など、親子で考えたいテーマが並びます。
2学期には保護者向けに「子どもとの関わり方」に関する講座も開講します。
子どもとより良い関係を築きたい保護者に向けた内容です。
子どもを教育する場から、子育てに寄り添う「家庭のパートナー」へというのが、同校の描く学校の姿です。

教育理念は「凜として生きる」で、創立者・堀越千代の「誰一人、女性が泣かない世をつくりたい」という志が、1897年の創立以来受け継がれています。
2027年に学園創立130周年を迎える和洋学園は、体験を通して社会とつながり家族とともに学ぶこの取り組みを、未来の教育への一歩と位置づけています。
和洋学園は、和洋国府台女子中学校高等学校のほか、和洋九段女子中学校高等学校、和洋女子大学を設置しています。
1897年(明治30年)に堀越千代が和洋裁縫女学院を創立したのが源流です。

土曜日に生徒が講座を選ぶ「ツナグヒ」の全体像を扱った記事です。
ツナグヒは、生徒が選び、家族も学べる土曜日の講座として、学校を「家庭のパートナー」へと広げています。
大学や企業、卒業生と出会う50以上の講座が、生徒それぞれの「キャリア資産」を育てる場になっています。
※校長名の「崎」は、正式には「たつさき」です。








