記事ポイント
- 生成AI利用前と比べ熟考する時間が増えていない人は75.3%
- AIを動かすこと自体に意識が向く人は34.6%
- 情報を見極め仮説を組む自信がある人は半数未満
日本能率協会総合研究所が、「企画・マーケティング職におけるAI活用と“考える時間”に関する調査」の結果を公表しました。
調査は2026年9月14日から17日に、企画・マーケティング関連業務に従事する20~59歳の1,640名を対象に行われました。
生成AIで作業は効率化した一方、その時間が熟考に回っていない実態が示されています。
日本能率協会総合研究所「企画・マーケティング職におけるAI活用と“考える時間”に関する調査」

- 調査名:企画・マーケティング職におけるAI活用と“考える時間”に関する調査
- 調査期間:2026年9月14日(月)~2026年9月17日(木)
- 調査対象:企画・マーケティング関連業務に従事する、20~59歳のビジネスパーソン
- 調査方法:インターネット調査
- 回答者数:1,640名
- 詳細レポート:無料
生成AIの普及で、企画・マーケティング関連業務では情報収集や資料作成、アイデア出し、仮説構築などの効率化が進んでいます。
一方で調査では、短縮された作業時間が必ずしも熟考する時間に転換されていないことが分かりました。
背景として、AIへの指示出しや出力の確認・修正に時間を費やす「AIオペレーター化」が挙げられています。
複数の「もっともらしい答え」から妥当なものを見極める負担と、AI活用の一般化に伴う要求水準の上昇も、課題として指摘されています。
Point 1:情報収集や資料作成は効率化、考える時間は「増えていない」75.3%

生成AIの利用用途は、「情報収集・リサーチ」66.4%、「文章・メール文の作成、校正」62.7%などが上位でした。
変化では「必要な情報を短時間で収集・整理できるようになった」が42.3%で、効率化は情報収集などが中心です。
生成AI利用前と比べ、情報収集・整理の時間と資料を作成する時間は、いずれも「やや減った」「減った」を合わせて4割台半ばでした。
一方、「アイデア・企画・戦略を熟考する時間」が「増えた」は計21.5%にとどまります。
「変わらない」「やや減った」「減った」は計75.3%を占めました。
Point 2:AIを使う時間が新たな負担に、「AIをうまく動かすこと自体に意識が向く」34.6%

「生成AIを業務で十分に使いこなせている」とする回答は39.2%でした。
「生成AIへの指示や、出力の確認・修正・再生成に多くの時間を使っている」は35.7%でした。
「業務を進めることよりも、生成AIをうまく動かすこと自体に意識が向くことがある」は34.6%でした。
生成AIは、指示、確認、修正、再生成といった「AIを動かすための仕事」も新たに生み出しています。
Point 3:「もっともらしい答え」の検証負担と、高まる仕事のハードル

生成AIを活用しても業務時間を短縮できていない人(530名)の理由で最多は、複数の“もっともらしい”回答から妥当なものを判断・検証する負担が増えたことで、26.4%でした。
「短時間で一定水準のアウトプットを作れるようになり、以前より多くの仕事を求められるようになった」は23.0%でした。
「AI活用が一般化し、アウトプットに以前より高い質や深さ、独自性を求められるようになった」は21.1%でした。
効率化で生まれた余白が、そのまま要求水準の上昇に吸収されている可能性も示されています。
Point 4:AI時代に問われる「考える力」
情報を見極め、自ら仮説を組み立てることに自信がある人は、半数未満にとどまりました。
AIを効果的に動かすスキルだけでなく、問いや仮説を組み立てる企画・マーケティングの「基礎体力」が、これまで以上に重要になっているとされています。
企画・戦略立案では、AIを入口に活用しつつ、顧客・現場へのヒアリングや専門家へのインタビューなどの一次情報を組み合わせることが重要とされています。
よくある質問
Q. 調査はどのような対象・方法で行われましたか?
A. 企画・マーケティング関連業務に従事する20~59歳のビジネスパーソン1,640名を対象に、2026年9月14日から17日までインターネット調査で実施されました。
Q. 「AIオペレーター化」とは何ですか?
A. AIへの指示出しや、出力内容の確認・修正に時間を費やし、本来取り組むべき仕事よりAIを動かすこと自体に意識と時間を奪われる状態を指します。
調査からは、生成AIによる効率化が進んでも、その効果が熟考する時間の増加へ直結していない実態が見えてきます。
AIの出力を見極め、自ら問いや仮説を組み立てる力と、顧客・現場への一次情報の収集を組み合わせることが、企画・戦略立案の質を高める鍵とされています。








